サイキック少年
今から16年前、僕が小学4年生の頃の話です。
昔、秘密基地とか作りませんでしたか?
僕も友達(けんちゃん、としちゃん)と秘密基地を作り、学校帰りにいつもそこで遊んでいました。
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ある日、同じクラスの油谷君(アブちゃん)が「まぜて」とやって来ました。
アブちゃんは両手一杯にガンプラを持っていました。
調子の良い僕らは、それで遊べるという簡単な理由で仲間にしました。
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それから色々遊んでいる内に、アブちゃんの持って来たガンプラの取り合いになりました。
アブちゃんは僕の持っていたアッガイを返してくれと僕に言ってきました。
僕も意地になって取り合いをしていた時、急にアブちゃんが
「いややぁ」
と叫びました。
その時、よく山登りの時に耳がキーンと鳴る状態になりました。
そしてアブちゃんを見ると、フワフワと僕の目の前で浮いていたんです。
僕らはただじっとアブちゃんを見る事しか出来ませんでした。
と言うより、体の身動きが出来なかったと言った方が正しいと思います。
秘密基地の真ん中には街灯のポールが立っていて、アブちゃんはフワフワとその上にアッガイを置きました。
そしてゆっくりと降りて来て、地面に着いたと同時にダッシュで何処かに行ってしまいました。
僕らはお互いの顔も見ずにランドセルを持つと、逃げるように家に帰りました。
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次の日、学校にはアブちゃんは来ず、その次の日に引っ越してしまいました。
その日以来、秘密基地にはもう行かないようにしようという事になり、各々持って来たおもちゃを秘密基地に取りに行きました。
その帰り際にとしちゃんが「あれ夢やったんやよな」と言いながら、街灯を蹴って揺らし始めました。
そうしたらとしちゃんの後ろにアッガイが落ちてきました。
そのアッガイは左腕が溶けて、チョコレートみたいになっていました。
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その出来事以来、ガンダム系のモビルスーツは今でも怖いです。
この話は子供の時にあった実体験です。
どなたかこのような体験をされた方はいませんか?