入れ替わった兄

住宅街(フリー素材)

小学校に上がる前だと思う。

ある朝、目を覚ますと隣で寝ている兄以外、家の中に人の気配が無かった。

家中を見て回るが、誰も居ない。

不安になって兄を起こそうと声を掛け、肩をゆするが目を覚まさない。

どんなに激しく揺り動かしても、ぐにゃり、ぐにゃりとするばかりで死んでいるかのようだ。

私は怖くなって家の外に出た。雨が降っていて薄暗かった。

家の周りを泣きながら歩き回ったが、家の外にも全く人の気配が無かった。

泣きながらまた家に帰りぐずぐずしていると、不意に両親が現れた。

「どこに行ってたの」と聞いても答えてくれず、「お父さんはここにいるよ」「お母さんはここにいるよ」と答えるばかりである。

訳が解らなかったが、とにかく両親が戻って来て私は安心した。

すると、そこに兄が現れた。兄の顔を見た私は息を呑んだ。

そこに居た兄は兄ではなかった。背格好は似ている。しかし昨日までの兄、さっきまで隣で寝ていた兄と顔が全然違う。

目付きがきつい。鼻が細く高い。頬が痩けている。髪がぺたんとしている。

あの不思議な朝のような出来事はあれが最初で最後だったが、兄はそれからもずっと別人のままだ。

天国(フリー画像)

あの世の記憶

数年前に私は不思議な体験をしました。 家族旅行でキャンプに行った時のことです。 弟と二人でキャンプ場から少し離れた林の奥で遊んでいると、いつの間にか弟とはぐれてしまい、慌て…

最強の守護霊

僕の知り合いに御祓いの仕事をしている人がいる。 知り合いというか、最寄り駅の近くの立ち飲みで出会ったおばさん。 それが今から数えて7年前くらいかなと思う。 引っ越して…

昭和のような町並みの異世界

田舎の高校に通っていた高1の夏休みの時の話をします。 部活が20時に終わり、その後23時くらいまで部室で怖い話をしていた。 さすがに遅くなったから帰るかという事になり、家が…

駅(フリー写真)

不思議な老人と駅

今年の夏に体験した話。 雨がよく降る火曜日のこと。その日は代休で、久々に平日をゆっくり過ごしていた。 妻はパート、子供達は学校。 久しぶりの一人の時間に何をして良いや…

歯型

これは今から13年前に起きた出来事です。 今でもあれが何だったのか解りません。早く忘れられれば良いと願っています。 当時、私は上京してきたばかりで、右も左も分からない状態で…

銀杏の木(フリー写真)

止まった時間

私が小学校3年生か4年生の時のことです。 友人5人と神社の境内で『ダルマさんが転んだ』をやっていました。 小学校の帰りに道草をくって、そこいらにランドセルを放って遊んでいま…

異なった世界のスイッチ

アサガオが咲いていたから、夏の事だったと思う。 私は5歳で、庭の砂場で一人で遊んでいた。 ふと顔を上げると、生け垣の向こうに着物姿の見知らぬお婆さんがニコニコして立っている…

山(フリー写真)

一つ目のおじちゃん

子供の頃、家族で山に行ったことがある。 山に着いたのはまだ朝方で、霧が辺りを覆っていた。 僕は親の言い付けを守らず、一人で山中に歩き入り、当然のように迷子になってしまった。…

アクァッホ(長編)

多分信じてもらえることはないだろうから、そういう創作物として見てくれれば幸い。 まず交流に使った方法はチャネリング(日本でいうところの口寄せの術)。 たまたま適当にネット漁…

田舎の風景(フリー写真)

大きな馬

昭和50年前後の事です。 うちの祖父母が住んでいた家は、東京近郊の古い農家の家でした。農業は本職ではなく、借家でした。 敷地を円形に包むように1メートル程の高さの土が盛ら…