狂った家族

公開日: 不思議な体験 | 心霊体験 | 怖い話

perumural-004

今からお話しするのは自分の実体験で、何と言うか…まだ終わっていないというか…取り敢えずお話しします。

自分は23歳の男で、実家暮らしの介護士です。家族は父(52)、母(44)、弟(18)の4人家族で、弟はこの春から就職のため一人暮らしを始める予定です。

その日も夕食後に居間で父、母、俺でテレビを見ながら「弟の家はどこにする?」とか「一人暮らしで必要は物は?」などと話しており、弟は自室で就職に関する支度をしていた。テレビは確か『なんでも鑑定団』を見ていたと思う。

「ザザ…ザザザザ……」

不意にテレビにノイズが入った。

すぐにおさまったので、俺は気にせずテレビを見続けながら「……んでさぁ」と、話しを進めていたんだが、両親に目線を移すと、ある異変に気付いた。

両親が口を半開きにして、何かに驚いたように目を全開に見開きテレビを見ていた。

「……え!?…何!? どうしたの!?」

自分は、今まで見たことのない両親の顔に動揺しながら聞いた。

「……………」

しかし、両親は俺を無視しテレビを見続けた。

突然、2人の見開いた目だけが俺を見た。

「え!!?」

次の瞬間、まるで今までなにもなかったように、

母「うん、でもさ、弟自炊とか」

父「大丈夫じゃないか? なあ」

と話し出した。

「いや……ちょっ!ちょっと待って!今の何!?今のは何!?」

うちの両親は、2人とも普段からあまり冗談とかは言わない方で、昔から堅い性格だった。だから、冗談でもあんなことをするとは到底思えなかった。

母「今のって?」

父「??」

2人共キョトンとした顔をしている。

両親の性格を知っている自分は、それが誰かを騙すためのリアクションではなく、素のリアクションであることが解り、同時に違和感を覚えた。

「え……今の…って……」

両親は覚えていない……自分があんな顔をしていたことを……。

「いや……なんでも……」

自分は口ごもり、下向いた。

母「ところで、あなたはいつ死ぬの?」

「は?」

父「そうだな、その話もした方がいいな。いつにするんだ? 自殺か? 事故か?」

「は?」

意味が分からなかった。

突然のことの連発にかなり困惑している自分は、

「あ……あ? え? 俺死……? え? ……は?」

と、かなりしどろもどろだった。

しかし、両親はまるで当たり前のように話を進めた。

父「こっちも今まで待ってたんだ。そろそろいいだろ」

母「手伝うからね。大丈夫だから。ね」

両親はなおも淡々と話をしている。

首吊りは汚いとか、睡眠薬がいいとか、飛び降りは途中で気絶すれば痛くないとか、まるで見たことがあるように……。

会話の端々では、どこが面白いのか「アハハ」と笑い声も聞こえた。

「ちょっ…ちょっと!さっきから何変なこと言ってるんだよ!!」

明らかにいつもと違う両親に不安と怖さを感じて、自分は大声で怒鳴った。

両親が自分の方に顔を向けた。

「う……!!」

両親の目が左右逆を向いていた。

父「死ね死ね死ね死ね死ね死ね」

母「死ね死ね死ね死ね死ね死ね」

「ひ!!!!!!」

目は左右逆を向いていたが、顔はしっかり自分の方を向きながら、壊れた人形のように繰り返し「死ね」を連呼していた。

自分は耐えられなくなり、弟の居る部屋に逃げ込んだ。

「バン!!」

弟「うわっ!びっくりした!!何!?兄貴!」

弟は机に座り書類を書いていた。

「あ…あのな!!父さんと母さんが!目が逆で…死ねって言って……あ!その前にテレビにノイズが……!!」

弟「いや、ごめん。何言ってんのかわからん」

自分でも何を言ってるか解らなかった。今の自分に起こってることが理解出来なかった。

「あのな……あの…だから……」

訳が分からなくなり頭を抱えた。

「と……とにかく、父さんと母さんが変なんだ……!!!」

弟は口を半開き、目を目一杯見開いていた……。

「あ………あぁ」

両親がおかしくなって、弟まで……徐々に弟の目が左右逆を向いていくのを見て、俺は玄関に走った。

なんなんだ!なんなんだ!なんなんだ!!

玄関から外に出る前、チラッと居間が目に入った。両親がこちらを向いて立っていた。やはり目は左右逆を向いていた。

全速力で人が通りが多い場所まで走った。その後、少し息を整え、携帯で職場の一人暮らしの先輩に事情を話し、先輩の家に行った。

先輩は霊とかお化けが見える人で、普通だったら理解不能な自分の話を真剣に聞いてくれた。

先輩「そうか……よし、明日知り合いの寺に行ってなんとかしてもらおう。今日はまず休め。お前ひどい顔してるぞ」

その日は先輩の家に泊まった。一睡もできなかったのは言うまでもない。

次の日、先輩は夜勤、俺は休みだった。朝6時、先輩の家から車で30分くらいの寺に連れて行ってもらい、そこの住職に前夜のことを話した。

住職「わかりました……大変だったでしょう。憔悴しきっている……」

自分の顔を見て、住職は心配そうに言って下さった。

その後「そのままではいけない」と言われ、先輩と住職と自分の3人で家に戻ることにした。

家の中は地獄だった。

父は両腕、両足から血をダラダラ流しながら、居間と廊下を歩いていた。居間の隅には、血の付いた包丁が数本捨ててあった。

「あと2往復したら、右足の血管を……あと3往復したら、二の腕の血管を……」

ブツブツと独り言を言っていた。

母は風呂場にいた。

満タンに水のはった浴槽に自らの頭を突っ込んで、出てを繰り返していた。自らの手で頭を押しながら…。

「あははがばっあははがばっあははがば死ぬ手前!死ぬ手前!!死ぬ手前ぇええええええええ!!!」

弟は机に向かって文字を書いていた。

ただ…手にはカッターを持ち、机の上には鏡があった。

「○○市○○町…」

自宅の住所を体に刻んでいた。

俺は恐ろしさで泣いた。

その後3人共、なんとか住職さんと応援に呼んだ他の寺の方に助けてもらいました。今はなんともないです。

ただ、今でも弟と父の体には傷が残っていて、温泉とか行くとかなり鬱になります。

長文失礼しました。

それでは、番外編ということで少し書きます。

あの後、住職さんに聞いたんですが、家族があのようになってしまった原因は、先祖にあったみたいでした。

時代劇とかで「末代まで呪ってやる」ってセリフありますよね?

あれのリアルバージョンだったみたいです。しかも呪い方も惨くて、ただ殺すのではなく、家族が出来てから乗り移り、ゆっくりと時間を掛けて追い詰めていくやり方だと聞かされました。

ただ、今回は呪う方も簡単にはいかなかったみたいで、というのも、俺の前世が高僧で、俺が生まれた時から手が出せずにおり、あの夜しびれを切らせて「死ね」って家族を使って圧力をかけたみたいでした。

しかし俺が逃げてしまい「仕方ないから他の家族だけでも」と…。

ただ呪いが強すぎて、住職さんでは完全には取れず、俺以外の家族は常に御守りを持っています。

まだ呪いは続いています。

蔵(フリー写真)

漬物石

去年の7月のことだ。俺の祖父と祖母は老人ホームで既に他界していて、実家を管理する人がいなかったから、荒れ放題になってしまっていた。本来ならば、相続の関係で俺の母親の姉(…

山

土着信仰

俺の親の実家の墓には、明治以前の遺骨が入っていない。何故かと言うと、その実家がある山奥の集落には独自の土着信仰があり、なかなか仏教が定着しなかったから。明治まで寺という概念すら…

顔を両手で覆う人々

人混みに紛れて妙なものが見えることに気付いたのは去年の暮れからだ。顔を両手で覆っている人間である。ちょうど赤ん坊をあやすときの格好だ。駅の雑踏の様に絶えず人が動いている…

飲み屋街(フリー写真)

仏壇の異変

叔母さんが久々に俺の家に遊びに来た時、つい先日見たテレビの恐怖特集の話になり、「幽霊とか居る訳ねーじゃん!」という会話をしていた時だった。その叔母さんが、お客さ…

金縛り中の他者的視点

以前、一度だけどうにも奇妙な体験をしたことがある。金縛りというものは多くの人が経験してると思うが、あれは脳の錯覚だ。本当は寝ているだけなのに、起きていると脳が勘違いをし…

黒い物体

黒い物体

半年程前、海外旅行の帰りの飛行機で体験した話。機内が消灯された後も、俺は時差があるので起きていようと思い、座席に備え付けのディスプレイで映画を観ていた。 ※ 3時間くらい経…

ひょっとこのお面(フリーイラスト)

ひょっとこのお面

俺の爺さんには従兄が居たらしいのだが、十代前半で亡くなっている。それがどうも不自然な死に方だったらしく、死んだ当時は親戚や近所の連中に色々騒がれたのだそうだ。 ※ 戦後すぐ…

んーーーー

現在も住んでいる自宅での話。今私が住んでいる場所は特にいわくも無く、昔から我が家系が住んでいる土地なので、この家に住んでいれば恐怖体験は自分には起こらないと思っていました。 …

親子のシルエット(フリー素材)

お母さんが居る

俺には年の離れた弟が居て、弟がまだ3歳の時に母親が亡くなった。それからは父親と自分と弟と祖母の四人で一軒屋に暮らしていたのだけれど、二回忌を迎えた頃に弟が「家の中にお母…

犬(フリーイラスト)

じじ犬との会話

ウチのじじ犬オンリーだけど、俺は夢で犬と会話できるっぽい。じじ犬と同じ部屋で寝ていると、大抵じじ犬と喋っている気がする。「若いの、女はまだ出来んのか?」「うるさ…