階段の角

公開日: 不思議な体験 | 怖い話

e19a4df2

当時俺が小3、弟が5才ぐらいだったかな。

そのとき一軒家に住んでて、弟と両親が一階、俺一人が二階で寝てたんだ。

家が古いせいか、かなり家鳴りみたいなのがするんだよ。ガキだった俺はそれだけで怖かった。

しかも階段が怖くてさ。

階段を上がると直角に廊下があるんだ。

だから階段を昇るとき、昇った先の角から誰か覗いてるような事を考えるわけ。

だから昇る時は、できるだけ上を見ないように足元だけ見て階段を昇ってたんだ。

んで、いつもと同じ22時ぐらいに寝ようと思って階段を昇ってたんだ。足元だけ見てね。

そしたら階段の真ん中ぐらいまで行ったときに、弟がいきなり

「お兄ちゃん前!前!」

って泣きそうな顔して叫んでるんだよ。

ビックリして前をみると、階段を昇りきった角から、おかっぱの着物を着た小さい人形みたいなのが見てるんだよ。

笑顔でじっと、俺の方を体を角から半分だけ出して。

もう半狂乱になりながら叫んで階段を降りて、両親に泣きながら話をしたが信じてもらえなかったよ。

マジであれは怖かった。

今でも忘れられない。

関連記事

癒しの手

不思議なおっさん

自分が小学生の頃、近所で割と有名なおっさんがいた。 いつもぶつぶつ何か呟きながら町を徘徊していた人だった。 両親も含めて、奇妙な人だから近寄らない方が良いと誰もが言っていた…

坂道

時間が止まる坂

この話は私が小学2年生の時のことです。 クラスで仲の良かった友人が、興奮気味に「すごい場所があるんだよ!今日行こうぜ!」と誘ってきた。 その友人は普段から「宇宙人を見た」…

カフェ(フリー写真)

死相の本

『死相の本』というものをご存知ですか? 自分は一度、見たことがあります。 広辞苑ぐらいの厚さで、果てしなく色々な方の生前の顔と死後の顔が並んでいるだけの本。 右ペー…

封じ(長編)

アパートに帰り着くと郵便受けに手紙が入っていた。色気のない茶封筒に墨字。間違いない泰俊(やすとし)からだ。 奴からの手紙もこれで30通になる。今回少し間が空いたので心配したが元気…

山神様

これは、俺の曽祖父が体験した話です。大正時代の話ですので大分昔ですね。 曾じいちゃんを、仮に『正夫』としておきますね。 正夫は狩りが趣味だったそうで、暇さえあれば良く山狩り…

旧東海道・関宿の町並み(フリー写真)

布団から聞こえる声

この話は母から聞いた話で、その母も祖母から聞いた話だと言っておりました。 北海道のB町の近くの話。戦前か戦後、この辺りの話だそうです。 ※ この頃は物資が少なく、布団を買うに…

介護の闇

家には痴呆になった祖母がいる。 父方の祖母だが、痴呆になる前も後も母とは仲が良く、まめに面倒を見ている。 これは年末の深夜の話。 祖母の部屋から、何やらぼそぼそと呟く…

担任が連れてきた女の子

小4の家庭訪問の時、担任が何故か同年代(クラスメイトではない)の女の子を連れてきた。 女の子は母親が居間の方で茶菓子を出して、終わるまで待たせたとは聞いてる。 俺と母親が「…

ニワトリ

6月のある日の夕方に家に居ると、外出中の母親から電話がかかってきた。 かかりつけの病院に行って母の代わりに薬をもらって来てくれという内容だった。 俺は家を出て徒歩で病院に向かった。…

優しさを大切に

俺が小学校1年生ぐらいの時の話。 その頃、俺はおとなしくて気の弱い方で、遊ぶのも大体おとなしい気の合う子達とばっかり遊んでいた。 でも何がきっかけだか忘れたけど、ある時に番…