姉からの着信

1576449i

実家に帰省したある夏休み。

夜中の3時に自分の部屋でネットをしていた時、私の携帯電話に姉から着信があったの。

姉は廊下を挟んだ向かいの部屋にいるんだから、何か話したいのなら直接部屋に来ればいいはず。

『なんだかオカシイな?』と思いながらも電話に出たら、着信は切れてしまった。

そこで、姉に直接何の用事だったか聞こうと思って、姉の部屋に行って、ドアを開けようとした瞬間、部屋の中から「誰かいる!」という姉の叫び声が聞こえたの。

急いでドアを開けてみたら、部屋には姉以外誰もいなかった。

姉が落ち着くのを待って話を聞いてみたら、寝ていた彼女がふと目を覚ますと、顔から数センチのところに黒い影があり、怖くなって悲鳴をあげたということだった。

姉の携帯から着信があったことを伝えたけれど、姉は寝ていたから電話をかけていないと言うし、なにより彼女の携帯は他の部屋に置いてあった。

でも一番の不思議は、私の携帯には姉からの着信が残っていたけれど、姉の携帯の発信履歴には何も残っていなかったこと……。

関連記事

外でお経を読むこと

一応これでも修験道の行者をやっています。お寺と師弟関係を結び、京都にある某本山で僧籍を持っています。 そんな私が駆け出しの頃に体験した怖い話です。 やはり修行をしていますと…

校庭

消失の謎

会社の後輩に聞いた、その子の友人(Aさん)の話です。 Aさんが小学生の時、彼女はとても積極的で、休み時間には校庭で他の子どもたちとドッジボールを楽しんでいました。ある日、チャイ…

桜(フリー写真)

初めまして

うちの母方の婆ちゃんの話。 母方の爺ちゃんと婆ちゃんはアメリカ人で、うちの父は日本人、母はアメリカ人。 出張でアメリカに来ていた父と母は恋に落ちた。 交際は当時、無茶…

プラットフォーム(フリー素材)

プラットフォームの死神

小学生の時の事なので思い違いかもしれないけど、謎だった体験。 家族と出掛けた帰り、確か夜の21時頃に、駅のホームで電車を待っていた。 ホームには他にも少数の人が居て、少し離…

不思議なお姉さん

小学2年生のころの話。小さいときに母ちゃんが死んで、親父に育てられてた。 父子家庭が原因か内向的な性格で、小学校でもひどいいじめにあってた。 1年生のころからずっといじめ続…

不敬な釣り人の顛末(宮大工11)

とある休日、久しぶりにオオカミ様の社へと参りに出かけた。 途中、酒を買い求めて車を走らせる。 渓流釣りの解禁直後とあって、道には地元・県外ナンバーの四駆が沢山停まっている。…

宿直の夜

俺は東北の港近くで工場勤めをしていた。 県名は書けないけど、被災地で津波が来たとだけ書いとく。 でも工場は、奇跡的に10〜15センチほど水没しただけだったんだよね。だから1…

公衆電話

公衆電話が呼ぶ

突然だが、僕は電話が苦手だ。 それは電話が面倒だとか、メールの方が楽だとかそういうことではない。 電話が掛かってくる度にギュウッと心臓が掴まれたようになる。 ※ とある…

山神様

これは、俺の曽祖父が体験した話です。大正時代の話ですので大分昔ですね。 曾じいちゃんを、仮に『正夫』としておきますね。 正夫は狩りが趣味だったそうで、暇さえあれば良く山狩り…

キャンプ(フリー写真)

もし、旅かな?

学生だった頃、週末に一人キャンプに興じていた時期があった。 金曜日から日曜日にかけてどこかの野山に寝泊りする、というだけの面白味も何もないキャンプ。 友達のいない俺は、寂…