エレベーターの11階

団地(フリー写真)

18年前に体験した話です。

中学生の頃に朝刊を配る新聞配達のバイトをしていたのだけど、その時に配達を任されていた場所が、大きな団地1棟とその周りだけだった。

その大きな団地はその頃の建物にしては階層が高く、地域でもかなり目立つ建物だった。

高い建物だったからか、その団地では何度か飛び降り自殺があってね。

それでお約束のように色々噂があったので、その団地の担当になった時は本当に嫌で仕方がなかった。

怖さに慣れるのに1ヶ月以上かかったけど、何とか慣れてきた時の事。

その団地の配達をする時は、まずエレベーターで一気に最上階まで行き、そのフロアを配り終えたら階段で1階ずつ下って行く。

そんな方法で配っていて、その日も配り終えた後に一つ仕事を忘れていることに気が付いた。

その日はたまたま新聞と一緒に封筒を入れなければならない家があり、その事を忘れていてまた戻る事になった。

その家が11階だったのでエレベーターを使い、その家に封筒を入れてエレベーターの所まで戻って来た時には、エレベーターは最上階で止まっていた。

普段は下りで乗る事はないけど、その時はもちろんエレベーターを使おうと少し上の最上階から降りて来るの待っていたら、一つ上の階でエレベーターが止まった。

エレベーターのすぐ横に階段があるので、誰かが上に居たら気配や音ですぐ分かるような状態なのに、そのどちらも全くなかった。

もちろんエレベーターに乗り込む気配も音もしない。

自分に霊感は全くないけど、その時は物凄く嫌な感じがしたのは覚えている。

その後、何と言うか固まってしまったと言うか、情けないがビビってしまったとでも言うのか…。

そのエレベーターが自分が居る11階に来るまで、手足に鳥肌を立てながら動けないでいた。

そして自分の居る階でエレベーターが止まり、扉が開いた。

中が見える前に髪の毛が総毛立つように思えたのは、あの時が初めてだと思う。

中には二人乗っていた。

オレンジ色のレインコートのような感じのものを着た小太りの女の人と、その子供らしき、同じくレインコートを着ている女の子が、手を繋いでこちらに背を向けて立っていた。

扉が開いて閉まるまでの間、10秒程度だったと思うけど、自分には永遠の時間のように長く感じた。

その間、二人は全くこちらを見ないし、ピクリとも動かなかった。

それが生きていた人であろうとなかろうと、もう自分には関係なかった。

怖かったが階段で降り、会社に戻って即辞める事を告げ、制止も聞かずに家に帰ってしまった。

後で他の配達員に聞いたら、自分と同じ体験をした人は居なかった。

でも変な者を見たり、変な声を聞いたなどの理由で辞めて行った人は結構居たらしい。

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