入れ替わった鬼

薄暗い校舎の廊下(フリー写真)

あまりにも不思議で、背筋が寒くなった話。

当時、中学3年生だった私。師匠というあだ名の女の子と仲が良くて、よく一緒に騒いでいた。

あれは確か冬の雨の日のことだった。

その日、あたしたちはノリで鬼ごっこを始めた。

※

初めにうちの校舎の説明をしておくと、四角い建物の真ん中が空洞になっていて、上から見ると

『回』

この字のような形になっている。

それで、各階に東階段と西階段がある。

※

まあ、そんなこんなで鬼ごっこを始めた訳だ。最初の鬼は師匠。

「いい? 追っ掛けるよ!」

そう言って師匠が追い掛けて来た時、かなりの距離が開いていた。

ほぼその距離を保ったまま、2階を何度もぐるぐる周った。

流石に疲れて来た私は、一気に階段を昇り、4階の自分たちのクラスに駆け込んでしまおうと考えた。

急に曲がって階段を駆け昇り始める私。

ここからがおかしいんだけど…。

3階に差し掛かる頃に振り向くと、師匠が私のすぐ後ろに迫っている。

しかも、何か下を向いて頭から突っ込んで来るような走り方。

顔がよく見えず、今まではギャーギャー叫びながら走っていたのに、何も喋らない。

あたしは何か恐くなって、そのまま4階に駆け昇った。

そして師匠が真後ろに付いて来ているのを確認してから、廊下を曲がって教室に駆け込んだ。

教室に駆け込んだあたしの目に入って来たのは…。

一番前の席に座っている師匠。

「は!?」

後ろを振り向くと、今まで追い掛けて来ていたはずの師匠が居ない。

「ちょっと師匠!どうやったの!? すぐそこまで追い掛けて来てたじゃん!」

あたしはパニックになりながら問い詰めた。

すると、ポカンとした師匠は信じられない話をし始めた…。

それによると、師匠はあたしが階段を昇り始めた時点で追い掛けるのを諦め、反対側の階段から教室に戻っていたんだってさ。

あたしは一体、誰に追い掛けられていたんだろう。

※

補足

その階段を昇っている間中、やけに暗くて、変に静かだったのを覚えている。

そして階段がとても長く感じられて…。

それからは恐くて鬼ごっこはしていません。

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