ノロノロ運転
公開日: 意味がわかると怖い話
俺の姉は車通勤なんだけど、いつも近道として通る市道がある。
それは河沿いの、両脇が草むらになってる細い道なんだけど、そういう道って夏の雨が降った時とか、アマガエルが大量に出てくるんだよね。
アスファルトの所々でピョコピョコ跳ねてて、踏まないように避けて走るのなんて不可能に近いわけ。
そして、ある雨の夜。
案の定カエルだらけの道を、姉は家へ向かってたんだけど、前方にノロノロ走る軽自動車があったんだって。
運転者は姉ぐらいの若い女の人らしいんだけど、10キロぐらいのスピードでフラフラ走ってて、追い越したくても追い越せないんだって。
「ここ通るの初めてなのかな?カエル避けて走るなんて無理なのに」
と思いつつ、しばらく後を走ったんだけど、右へ左へフラフラしながら時々ブレーキ踏んだりして全然先に進まない。
姉も我慢の限界で、クラクションを鳴らしたそうな。
前の車の女は、後続車が来てるのに気づいてなかったらしく、驚いたようにビクッとして、猛スピードで走って行ったんだって。
「なんだ真っ直ぐ走れるんじゃん」と言った姉貴は、その直後顔が真っ青になった。
※
前の車はわざとカエルを轢くためにゆっくりと走っていた。