鏡に映った予兆

モノクロ部屋

これは、私の知り合いの女性が体験した、決して笑い話にはならない恐ろしい出来事です。いくつかの詳細は変更してありますが、その核心は実際に起こったことです。

その女性、24歳の彼女が親友のA子から聞かされた話です。

A子には3歳年長の姉がおり、二人の関係は非常に良好でした。A子は度々姉に進学や恋愛の相談を持ちかけていました。

事件が起こった夜、お姉さんはお風呂から上がった後、家族と居間で楽しく会話を交わしていました。

パジャマに着替えた後、お姉さんは2階の自室に戻ることにしました。

その後、A子もお風呂に入る準備を始めたのですが、就職に関する相談があったため、姉の部屋へ向かいました。

部屋のドアを開けると、お姉さんは鏡に向かって髪を梳かしていました。しかし、鏡に向かったまま、お姉さんは静かながらも強い口調で言いました。

「A子ちゃん、すぐにお父さんとお母さんのところに戻りなさい。」

「でも、姉ちゃん、話があるの…」

A子は反論しましたが、お姉さんの異様な口調に恐怖を感じ、居間へと戻るしかありませんでした。

その夜、恐ろしい惨劇が発生しました。

お姉さんが座っていたベッドの下には、包丁を持った男が隠れていたのです。

お姉さんは、髪をとかしている間に鏡越しにその男の存在に気づき、A子を危険から守るために行動を起こしたのでした。

無慈悲にも、その男によってお姉さんは命を奪われました。

その犯人はストーカーだったのですが、お姉さんは結局彼によって悲惨な最期を遂げました。

この悲劇は後に新聞で報じられ、地域社会に大きな衝撃を与えたのでした。

関連記事

自首した理由

俺の親戚に元刑務官って人がいる。 その人が言うには、刑務官の仕事って受刑者を監視する事じゃなくて、受刑者に人の温かみを教えるのが本当の仕事らしい。 そんな叔父は時間があれば…

ガラス瓶

知り合いに、瓶を怖がる女性がいます。コーラ瓶、一升瓶はもちろん醤油の小瓶も触れない。 そんな彼女に聞いた話。 ジュース容器といえばペットボトル主流の現在だけど、彼女が子供の…

村

閉ざされた集落

もう20年以上前、少年時代の話である。 俺は名は寅、友達は雄二に弘樹と仮名を付けておく。 ※ あれは小学校六年生の夏休み、俺達は近所の公園で毎日のように集まり遊んでいた。 …

浜辺(フリー写真)

浜辺で踊るモノ

小学四年生の頃に体験した話。 当時親戚が水泳教室を開いていて、そこの夏季合宿のようなものに参加させてもらった。 海辺の民宿に泊まり、海で泳いだり魚を釣ったり山登ったりする。…

謎の男のシルエット

成りすまし

大学4年生の11月、Aの就職がようやく決まった。 本人は小さな会社だと言っていたが、内定を貰えたことに変わりはないし、晴れて仲間内全員の進路が決まったことで、1月に旅に行く運びと…

東京五輪

ナレーションの声

小学5年生の頃、アメリカでワールドカップが開催された。 だからという訳ではないけど、幼馴染のNとよく近所の公園でサッカーをしていた。 ある日、「たまには別の公園でやろう」と…

マンションのドア(フリー写真)

異口同音

怖い思いをして実害もあった話。 夜遅くに仕事から自宅のマンションの部屋に帰ったら、玄関の前に粉が落ちていた。 何だろうと思って屈んだところ、玄関ドアの異常に気付いた。穴が空…

きさらぎ駅

98 :名無し:01/08 23:14 気のせいかも知れませんがよろしいですか? 99 :名無し:01/08 23:16 取りあえずどうぞ 100 :名無し:01/08…

雪国(フリー写真)

無医村

爺ちゃんは当時、凄い田舎の山村に住んでいて、村にはあまり評判の良くない医者が一軒しかなかった。 ある時、爺ちゃんの知り合いの年配の男性が盲腸になり、仕方なくその医者に手術してもら…

駅のホーム

勘違い

とある路線の通勤時間帯の上り電車。この線は都心でも通勤時間帯の乗車率がずば抜けて高く、車内はまさにすし詰め状態である。 その日は運が悪いことに下り線でトラブルがあり、ただでさえ混…