ユダヤ人の隠し部屋

公開日: 心霊体験

クローゼット(フリー画像)

大学の夏休みに友達二人とドイツ郊外へ旅行に出掛けました。

小さな民宿に泊まり、その次の日は早朝からドライブする予定だったので皆んなで早めに床に就いたのですが、夜中に友人が魘されて目を覚ましました。

どうしたのかと聞くと、

「凄く怖い夢を見た。クローゼットの中にオバケが居て、その奥の方の暗い部屋に俺を閉じ込めようとした」

僕は『良い年こいてクローゼットのオバケって…』と呆れたのですが、友人は真剣に怯えていました。

それでクローゼットを開け「ほら、何も居ないだろ」と安心させてやりました。

翌朝、宿の奥さんを交え朝食をとっていると…。

「あなた達の泊まってる部屋に、大戦中ナチスから逃れるために作った隠し部屋があるんだけど、見せてあげるわ」

「それって、もしかしてクローゼットの奥ですか?」

「あら、知ってたの。でも結局ここの住人だった人は見つかって、収容所に入れられたんだって。悲しい話ねえ。戦争はもう懲り懲りよ」

ちなみにその魘された友人には半分ユダヤの血が入っていて、その日は一日中ブルーでした。

関連記事

枕(フリー写真)

ひとりおしゃべり

「ひとりおしゃべり」というものをご存知でしょうか。 降霊術の一つだそうで、椅子を二つ用意して片方に座り、もう一つの空いた椅子に向かっておしゃべりを続けると霊が出るというものです…

民宿の部屋

白無垢の花嫁

私が小学校低学年の頃、夏休みには家族で田舎を訪れることが恒例でした。 そこには、私たちが毎回宿泊する古びた民宿がありました。 各部屋の入り口は襖で、玄関はすりガラスの引き…

自衛隊での体験談

ちょっと専門用語が多いので分かり難いかもしれない。 高校卒業後すぐに自衛隊に入隊した俺だったんだが、7月の後期教育のある日、駐屯地にある小さい資料館の掃除があったんだ。 班…

深夜の研究室

今から数年前に卒論を書いていた頃、私は工学部の学生だったのですが、実験すら終わっておらず連日実験に明け暮れていました。 卒論の締め切りが迫り、実験の合間に卒論を書き、また実験をし…

トンネル(フリー写真)

変化するビデオテープ

友人から聞いた話。 彼が大学に通っていた頃に、泊まりがけで遊びに行ったグループが居た。 その時、仲間の一人がビデオカメラを持っていて、みんなふざけて色々映していた。 …

公園の違和感

夜遅くの帰り道、公園の横を通った。遠くから歩きながら公園の方を見ると、なんか違和感がある。 近づいていくと、違和感の正体が分かった。電信柱の長さが違う。一方の電信柱の上に、髪が長…

幽霊ってさ、通り魔みたいに理不尽な存在だと思うんだ

霊ってどんなものかその時まで知らなかったけど、通り魔みたいに理不尽な存在だと思う。 10年くらい前に日本全国をブラブラ旅歩いていたときの話。 T県のとある海鮮料理を出すお店…

有名な家

もうかれこれ10年前の話。当時、まだ自分は9歳だった。 諸事情で祖母と二人暮らしをしていたが、小学生半ばの頃に母親とも一緒に暮らすことになった。 それまで祖母とは小さな漁師…

夜道(フリー素材)

映画監督の話

深夜のテレビ番組で、その日の企画は怪談だったのですが、その話の中の一つに映画監督のH氏にまつわる話がありました。 ※ ある時、H氏はスランプに陥っていました。 いくら悩んでも…

逆拍手の女性

逆拍手の女性にまつわる都市伝説

1999年、ある悲報が全国を駆け巡りました。 女性3人組ユニット『カントリー娘。』のメンバー、柳原尋美(やなぎはら・ひろみ)さんが、デビュー目前にして突然この世を去ったのです。…