大学の夏休みに友達二人とドイツ郊外へ旅行に出掛けました。
小さな民宿に泊まり、その次の日は早朝からドライブする予定だったので皆んなで早めに床に就いたのですが、夜中に友人が魘されて目を覚ましました。
どうしたのかと聞くと、
「凄く怖い夢を見た。クローゼットの中にオバケが居て、その奥の方の暗い部屋に俺を閉じ込めようとした」
僕は『良い年こいてクローゼットのオバケって…』と呆れたのですが、友人は真剣に怯えていました。
それでクローゼットを開け「ほら、何も居ないだろ」と安心させてやりました。
※
翌朝、宿の奥さんを交え朝食をとっていると…。
「あなた達の泊まってる部屋に、大戦中ナチスから逃れるために作った隠し部屋があるんだけど、見せてあげるわ」
「それって、もしかしてクローゼットの奥ですか?」
「あら、知ってたの。でも結局ここの住人だった人は見つかって、収容所に入れられたんだって。悲しい話ねえ。戦争はもう懲り懲りよ」
ちなみにその魘された友人には半分ユダヤの血が入っていて、その日は一日中ブルーでした。
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