時空のお姉さん
公開日: 時空のおっさんに関する話 | 異世界に行った話
12月の中旬頃に、恐らく『時空のおっさん』に関連すると思われる体験をしたので投稿します。
創作ではなく、確かに体験した実話です。
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私はコスプレイヤーで、その日は友達と4人で地元のコスプレイベントに出掛けていました。
会場は屋内と屋外を両方使えるようになっていたのですが、当日は大寒波で物凄く寒い日だったので、私達は屋内で撮影を楽しんでいました。
お昼過ぎ、そろそろお昼ご飯を食べようという事になり、私達4人は受付へ。
どうやらその会場は屋内では飲食禁止らしく、外のテラスのようになっている所へ出ないと飲食が出来ないとのこと。
クソ寒い中、コートを着て仕方無く外へ出て昼食を楽しんでいた時に、それは起こったんです。
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私以外の3人は、当日予定していたボーカロイドの大型併せに行くと言う事で、早めに昼食を済ませてそちらへ行ってしまいました。
残された私は寒さにも慣れ、テラスでパックのジュースを飲みながら、色々なレイヤーさんを眺めていました。
何分か経った頃に『そうだ、今日撮った写真を見よう』と思い、暇潰しに一眼レフを取り出して写真を見始める事に。
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一眼レフを弄り始めてから恐らく5分も経たない頃、周りがえらく静かになっている事に気が付きました。
当日はあまりの寒さのせいか、結構人気のイベントの割には人数も少なく元々静かだったのですが、いくら何でも静か過ぎる。
気が付けば、近くで写真を撮っていたレイヤーさんもみんな居なくなっていました。
『みんな寒くて屋内に避難したのかな』とか、『スタッフさんの指示かな』などと思いながら屋内へ行こうと立ち上がると、私は眩暈がするほど震え上がりました。
空が緑色なんです。雲も含めて全部緑。
グラデーションも何も無い真緑で、私の目がおかしくなったのかと思い、目をぱちぱち閉じたりしたもののやはり緑。
私が居たのは中庭で、四方が壁に覆われていたのですが、その壁に映る光や地面を照らす日光も全部緑で、気持ちが悪かったのを覚えています。
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あまりの非現実さに、イベントだという事を忘れて号泣しながら、受付へ行こうと何とか屋内に入りました。
しかし誰も居ません。
撮影用に設置されていたセットは、列が出来るほど人気だったものまで蛻の殻。
椅子はさっきまで人が座っていたかのようにずらされていたりして、それが余計に怖くて足が竦みました。
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こんな事があるものか…と大パニックを起こしながら、スタッフルームへ行ってみようと廊下に出ると、白いカーディガンに青いブラウス、裾を折ったジーンズを履いた女の人が立っていました。
確か右手首か二の腕かに、黄色い腕章みたいなものを付けていたと思います(キャプテンマークのような形で、何か文字が書いてあったけど読めなかった)。
黒いサンバイザーを被っていて、顔はよく見えませんでした。
とにかく人を見つけたので、衣装のまま声を掛けてみる事に。
「すいません、何かあったんですか?」
声を掛けるとその女性は私に気付き、そして血相を変えてこう言ったんです。
「どうしたの!? 何で此処に居るの!」
その時、私は『ああ、自分がコスプレ衣装を着ているからびっくりしたのかな』と思い、慌てて
「コスプレのイベントがあって来たんですけど、急にみんな居なくなってしまって…人の気配がしないんです。もしかして、あなたも迷われたんですか?」
「ちょっと待ってね。時間は掛かるかもしれないけど、そこに座っていてくれるかな」
話が噛み合いません。
幼稚園の先生のような優しい笑みを浮かべた女性は、私を近くのソファに座らせ、携帯で何やら話しています。
「遭難者」とか「今年で6人目」などと言っていて、何の事やらさっぱり解らないまま、その話を聞いていました。
暫くして電話を終えた女性が私の方を向き、にっこり笑いながら
「怖かったね」
とだけ言って携帯を閉じ、私の肩に手を当てた途端、目の前がバチッと弾けたようになりました。花火が弾けたような、そんな衝撃でした。
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ふと気が付くと、私はさっきまで居たテラスに座っていたんです。
友達はどこに居るのかと思い探してみると、大型合わせできちんと写真を撮っていました。
『あれは何だったんだろう。夢にしてはリアル過ぎる』と不思議に思いつつ、帰りのスタバで友達にそれとなく話してみると、
「それ、時空のおっさんだよ!」
と言われ、某掲示板にあるスレッドの事も教えてもらいました。
友達の一人がオカルト板によく行くらしく、滅茶苦茶羨ましがられたのですが、正直怖いだけでした。
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私が会ったのは、多分時空のおっさんの仲間か何かだと思います。
綺麗な女性でしたよ。