形見の写真
公開日: 本当にあった怖い話
小学生の仲が良い男の子4人が海へ遊びに行った。
初めは浴場の方で遊んでいたのだけれど、そのうち飽きてしまい、人気のない岩場へと移動。
散々遊んでさあ帰ろうという事で、記念撮影を。
しかし、普通に写真を撮ったのでは面白くないので一度水に潜り、
「せ~の!!」
で水面から飛び出たところをパシャリと撮ろうという事になった。
そうすると髪の毛が顔に張り付いて面白いだろうという理由だったようですが。
それで写真を撮影。
横一列に並んだ男の子達がドボンと一度、潜ります。
「せ~の!!」
でパシャ!!!
ところが…。何故だか、真ん中の男の子が顔を出さない。
「お~い何してんだよ」
まあ、冗談だと思いそんな雰囲気で探したんでしょうな。
しかし、いくら探しても見つからないのですよ。その真ん中の男の子が。
結局、海難救助隊が出て捜索するという大騒ぎにまでなり、男の子は離れた沖合いで水死体となって発見されました。
※
家族が悲しみに暮れていた時、ふと写真の事を思い出しました。
もしかしたら、自分の息子はちゃんと写真に映っているかもしれない。
そうすれば最後の姿を治めた形見になるだろう。
そう思い立った母親が鑑識の方へ、
「写真を譲ってくれないか?」
と申し出ました。
ところが、どうしてもこの写真は見せる事が出来ないと鑑識が強く拒むのです。
息子の形見なのだからと散々のお願いにより、やっと見せてもらったその写真に映っていたものは…。
横の二人はちゃんと写っていました。
しかし真ん中にはずぶ濡れの見た事もないおばあさんが映っており、真ん中の子供の頭を上から押さえ付けていたのだそうです。
この話は当時新聞にも載りました。