幽霊と…

公開日: ほんのり怖い話 | 心霊体験

ghost_man_screaming

5年ぐらい前、地方都市でホステスをしていた時の話。

一緒に働いている女の子で、自称霊感の強いMちゃんという子がいた。

最初は信じていなかったのだが、Mちゃんが「明日は外出しないで」と言ってきたのにもかかわらず、遊びに行って事故に遭ってしまってからはなんとなく信じてた。

そんなMちゃんの住んでいるマンションには男の霊が現れるという。Mちゃんは夜な夜な現れるその男と毎晩Hをしているんだそうだ。

話によるとすっごく巧いんだそう…それは、さすがに信じていなかったのだが、Mちゃんはネタとして客にその話をして笑わせたりしていた。

ある日、Mちゃんがその話をしていると、隣の席の女性客が「それって○○っていうマンションの○○号室?」なんて話かけてきた。

Mちゃんもびっくりして「そうです!」なんて言ってたんだけど、その女性客もその部屋の元住人で男の霊とHしてたんだそうな。

それから、二人は男の巧さについて語り合っていたが、客はひいていた。

Mちゃんは、とっても元気な子だったので怖さは全然感じなかった。

他にも、その店のトイレで兵隊の霊を見たとか言って、「今トイレに行ったらダメだよ」とか止められたりもした。

兵隊の霊はMちゃんも怖がっていました。すごーく怨念を感じるらしい…。

聞けば、その場所って昔演習場のようなところで、爆撃も受けた場所だったらしいよ。

Mちゃんはど田舎から出てきた子だったので、そんなこと知るはずもなかったんだけど…。

それから、一番驚いたのは父親が死ぬ前、「実家に帰った方がいい」って言われたの。

私は事故のこともあるし、なにやら怖いので帰ったら、父親は入院していて今夜がヤマという状態だった。

当時、留守電がなくて昼間も留守がちだったので、母も連絡のつけようがないと困っていたんだって。

Mちゃんのおかげで、死に目に会えたけど、葬式が終わって帰ったらMちゃんが目を真っ赤にして「良かったね。お父さん喜んでるよ」と言われて、その時初めてぞーっとした。

今でも、たまに「ちゃんとお墓参りしてる?」って電話が来るんだけど、父が寂しがっている姿が見えるらしいよ。

そういう時は、私も実家に顔出してない時なんだよね…。

関連記事

海(フリー写真)

赤旗が出る日

地元は海の前の漁師町(太平洋側)の話。 ここ数年は少なくなったが、幼少の頃から海女さんの真似事をしてアワビやサザエを採ったり、釣りをするのが子供の遊びだった。 朝に堤防まで…

竹林(フリー写真)

告別式の帰りに

可憐な女子高生だった頃の話です。 中学時代に親しかった友達が亡くなり、当時の担任の先生と一緒に告別式に出た帰りのことでした。 私は友達が亡くなったことがショックで、泣いた…

峠(フリー写真)

夢の女と峠の女

俺は幽霊は見たことがないのだけど、夢とそれに関する不可思議な話。 中学3年生くらいの頃から、変な夢を見るようになった。 それは、ショートヘアで白いワンピースを着た二十代くら…

廃墟でサバゲー

夏の終わりの頃の話。 その日は会社の夏休み最終日ということもあり、仲の良い8人を集め地元の廃墟でサバゲーをすることにしたんだ。 午前中に集まって、とことんゲームをしようと決…

暗い部屋(フリー写真)

姉の霊

それは私がまだ中学生の時でした。 当時美術部だった私は、写生会に行った時に、顧問の若い女の先生と話をしていました。 その頃は霊が見えなかった私は、他人の心霊体験に興味津々で…

桜の木の神様

今は暑いからご無沙汰しているけど、土日になるとよく近所の公園に行く。 住宅地のど真ん中にある、鉄棒とブランコと砂場しかない小さな公園。 子供が遊んでいることは滅多にない。と…

ホテル(フリー素材)

鶯谷のホテル

これは実際に体験した不思議な話です。 皆さん、鶯谷をご存知でしょうか? 山手線沿線でありながら最も人気の無いエリア。江戸時代にあった遊郭が今も尚息づくソープランド街「吉原」…

ビジネスホテルの窓(フリー写真)

ビジネスホテルでの心霊体験

学生の頃、都内の某ビジネスホテルで警備のアルバイトをしていた。 従業員が仮眠を取る深夜0時から朝の5時まで、簡単なフロント業務と見回り。 あと門限過ぎに戻って来る泊り客に、…

ワイン倉庫(フリー素材)

海外ホテルの心霊体験

20年くらい前かな。俺がフリーターをやっていた頃の話なんだけど、その当時ヨーロッパの方へ海外旅行に行ったんだよ。 観光目的ではなく労働者ビザを取って2年くらい居たのかなあ…。 …

橋(フリー写真)

面影橋

私が京都は東山にあるその営業所に移動になったのは、春先の桜が満開の季節でした。 小さな営業所ではありましたが仕事は多く、音を上げずに勤めていられるのは、ただ同僚の方たちの人柄ゆ…