アカマネ

公開日: 怖い話 | 未確認生物 | 都市伝説

4a651f64

本で読んで以来、アカマネという得体の知れない物の怪の話を集めている。

アカマネとは、読んで字のごとく「赤真似」。これが全国津々浦々で目撃されているらしい。

俺が覚えているアカマネの話は、大体以下のような話。

ある人が引っ越して間もない頃の昼間、チャイムが鳴った。

引っ越してきたばかりで知り合いもなく、訪ねて来る人の心当たりもなかった。

厄介なセールスだと困るので、ドアスコープから様子を伺うと、誰も居ない。

『おかしいな……』と思いながらも部屋に戻ると、また「ピンポーン」とチャイムが鳴る。

再びドアスコープを覗いても誰も居ない。そして部屋に戻ると、また「ピンポーン」とチャイムが鳴る。

『そうだ』と思い立ち、玄関が見える部屋に行き、カーテンを開けて玄関を覗き見た。

ドアの前に立っていたのは、真っ赤な色をした人型のものだったという。

『うわ』と思ってすぐに顔を引っ込めたが、その時また「ピンポーン……」とチャイムが鳴った。

『一体あれはなんなんだ?』と思うと、怖くてたまらない。チャイムが鳴る度に体が竦んだと言う。

『あんなものに気付かれたらどうしよう』そう思って子供部屋を出て、絶句した。

玄関の上にある採光用の窓に、赤い頭と手が張り付いていたのだという。

しかも身長が二メートル以上ある!

『どうしよう』と思った瞬間、外に出ていた娘さんが帰宅した。

驚いて「大丈夫だった?」と聞くと、「何が?」と笑われたという。

数日後、友人夫婦が引っ越し祝いに来てくれた。

玄関に行ってみると、旦那さん一人しかいない。「奥さんは?」と聞くと、旦那さんは「わからん」と首をかしげた。

「俺をマンションの下に降ろしたら、慌てて自分だけ帰ってしまった」と言って怪訝な顔をしたという。

やがて、宴もたけなわとなった。やっぱり奥さんに来て欲しいその人は、奥さんに電話してみた。

すると、奥さんは「言いにくいんだけど……」と前置きして、こんなことを言った。

「マンションに行くと、マンションの五階にあるあなたの部屋の前に、大きくて真っ赤な人間がいて、体をくの字に曲げて中を覗き込んでるの。主人には見えなかったみたいだけど、私は怖くて帰っちゃったの」

このことを知人に相談すると「火事の前兆かもしれない」と言われたので、しばらく火元に気を付けて生活した。

しかし、結局火事は起こらず、その赤い人間がまた現れることはなかった。

俺が集めたこの「赤真似」の特徴は以下のようなものだ。

・体が赤い。稀に緑色、ないし黄色の場合もある。洒落怖の「青い人が来る」などもこの類か。

・アカマネとは単に一番オーソドックスな色なだけで、別に赤い種類だけがいるわけではないのかもしれない。

・体が巨大である、もしくは目鼻などの凹凸がないなど、人間とは少し異なるものの、人型をしている。

・神出鬼没で、特定の場所に出るというわけではない。取り憑くということもいまだ聞かない。

・何かの前兆であるとも聞く。その場合は火事の前兆であると解釈される場合が多い。

・稀に知り合いの名前を騙って玄関に現れることもあるらしい。アカマネの名前はこの特徴から。

・見える人と見えない人がきっぱりと分かれるらしい。

ネットの情報や本を読む限り、色々なところで結構目撃されてるようだ。

もし知っている人がいたら教えて欲しい。

関連記事

動物霊

動物霊をご存知だろうか。 その名の通り動物の霊なのだが、民間伝承でもよく知られているものは狐狸の類であろう。 これらに限らず、特に畜産や水産に関わる動物への信仰は強く、墓や…

スーパーマリオの都市伝説

スーパーマリオブラザーズは、日本のみならず世界中で有名な任天堂社のゲームだ。 言わずもがな、任天堂の主要ブランドであり、任天堂の代名詞とも言えるものだ。 任天堂はそのブラン…

小島(フリー写真)

海女さんの心霊体験

私は23歳で、海女歴2年のあまちゃんです。 泳ぐのが好き、結構儲かる、という理由でこの仕事をしていますが、不思議な体験をした事があります。 ※ 海女になりたての頃、自分に付い…

目の前で交通事故を目撃した

某ファミレスの駐車場で、交通事故を目の前で目撃したある女性の話だ。 直線道路で対向車が急に反対車線に飛び出して来ての正面衝突事故だった。 飛び出した方は軽自動車で、相手はト…

ギター

27クラブ: ロノウェの契約

古代イスラエルの王ソロモンは、72体の悪魔を召喚し、彼らの力を利用して望みを叶えさせたとされています。この中の27番目に数えられる悪魔はロノウェという名前で、特に心理操作やカリスマ性…

棲家

9歳の時引っ越した私の家には何かが居た。 主に私の部屋で、金縛りはしょっちゅう起きるし、色んな人の声もする。 壁の中からだったり、寝ている自分の上や枕元、ベッドの下からなど…

断崖

断崖の夜髪

私がある旅行雑誌の取材の依頼で、足を運んだのは日本海に面した静謐な観光地でした。 その日、市の観光課に所属する案内人の丁寧な誘導のもと、カメラマンと共に車で取材地を巡りました。…

ユキオ

小学校の頃、俺のクラスの転校生にユキオという奴がいた。その名の通り、肌が白くハーフみたいでナヨっとした感じの男だった。 ユキオには両親がいなくて、祖父母と暮らしているようだった。…

介護の闇

家には痴呆になった祖母がいる。 父方の祖母だが、痴呆になる前も後も母とは仲が良く、まめに面倒を見ている。 これは年末の深夜の話。 祖母の部屋から、何やらぼそぼそと呟く…

ラウンジ

踊り続けるアバター

PlayStation Homeを始めた頃の話。 あるお化け屋敷ラウンジに、いつログインしてもずっと踊り続けているアバターが2体いるんだ。仮に「ぶらきゅー」さんと「はぴぴ」さんと…