天保の飢饉

公開日: 怖い話

eijiyanaika

天保の飢饉(1832~1839年)は、連年の凶作の結果、全国にその影響が及ぶほど凄まじいものであった。

しかも、飢饉は7年間の長きに渡って延々と続いたのであった。鶏犬猫鼠の類まですべて食べ尽くし、後には人を食っているという噂が広がっていった。

人々の心は荒廃を極め、盗人は見つけられ次第かます(むしろの袋)に入れられて川に沈めて殺された。

この飢饉では疫病も猛威をふるい、おびただしい死者を出した。

青腫(あおばれ)と言われる栄養失調の状態では、疫病が襲うとひとたまりもなく、例えば秋田藩では傷寒(発熱性の腸チフス)が流行り、達者な者までかかり、この病で多くの人々が病死した。

しかもピークが田植え時と重なったことから、田畑は耕作されないままに荒れ放題になっていった。

この頃、津軽では食べるものがなく松の皮ばかりを食べ、一家心中や集団自殺といった悲劇が相次いだ。

さらに、留まって餓死するよりはと数万人の農民が乞食、非人化して山越えして逃げ出したとある。

関連記事

鏡の中のナナちゃん

私は幼い頃、一人でいる事の多い子供でした。 実家は田舎の古い家で、周りには歳の近い子供は誰もいませんでした。 弟が一人いたのですが、まだ小さくかったので一緒に遊ぶという感じ…

登校する小学生(フリー写真)

モウキカナイデネ

この話を誰かに話す時、 「確かにその話、滅茶苦茶怖いけど、本当かよ?」 と言われる事がある。 霊が出て来るような話の方が、余程現実味があるからだ。 これは俺が実…

何かの肉塊

僕が小学生の頃なので、もう20年くらい前になるのか。 母方の祖母(大正生まれで当時60歳)から聞いた話を思い出した。 祖母がまだ若かった頃、北海道の日本海側の漁村に住んでい…

海から来たるもの

普段付き合いのいい同僚が、何故か海へ行くのだけは頑として断る。 訳を聞いたのだが余り話したくない様子なので、飲ませて無理やり聞き出した。 ここからは彼の語り。ただし、酔って…

疫病神

20年くらい前、高校生の時一人で留守番をしていたら、インターホンが鳴った。 出てみると、乞食みたいなのが立っていて「この家には死神がついている」と言い残して立ち去っていった。 それから…

赤いミニスカートの女

サイフの持ち主は

これは今から7年ほど前、私が一人暮らしを始めたばかりの頃の話です。 高校を卒業し、就職と同時に実家を出て、徒歩30分ほど離れた土地で初めての一人暮らしを始めました。まったく知ら…

公衆電話

公衆電話が呼ぶ

突然だが、僕は電話が苦手だ。 それは電話が面倒だとか、メールの方が楽だとかそういうことではない。 電話が掛かってくる度にギュウッと心臓が掴まれたようになる。 ※ とある…

ドルイド信仰

ドルイドとは、ケルト人社会における祭司のこと。「Daru-vid: オーク(ブナ科の植物)の賢者」の意味。 ドルイドの宗教上の特徴の一つは、森や木々との関係である。 ドルイ…

湧き水(フリー写真)

岩のくぼみ

父が二十代の頃に体験した話です。 私が住んでいる場所は、自然豊かな地域です。 山も海も身近にあり、今でも手漕ぎの小船で海へ出て、魚釣りをされる年配の方が沢山居られます。 …

おおいさんの話

おおいさんってのが何者なのか分からんけど、俺の地元のコンビニバイトの間ではかなり有名。 おおいさんと名乗った客が来たら目を合わせるなという先輩からの指示を受けたのだが、俺はそれを…