窓側を見てはいけない

公開日: 心霊体験 | 怖い話

山道

ある夜、会社員のAさんは残業で遅くなり、タクシーを拾いました。タクシー内では運転手さんと様々な話題で盛り上がっていました。やがて、タクシーは山の中の暗い道を走り始めました。周囲はうっそうとした森で、他の車の姿は見当たりませんでした。このとき、運転手は突然表情を変え、「ここでは絶対に車の窓側を見てはいけません」と言いました。驚いたAさんは恐る恐る「はい」と答えましたが、タクシーは森の中を走り続けました。

不安に駆られたAさんは、なぜ窓側を見てはいけないのかと運転手に尋ねましたが、運転手は黙ったままでした。怖さが増す中、Aさんは窓側から「う~う~」という声を聞き、思わずそちらを見てしまいました。すると、窓には怒りを浮かべた男の顔が現れ、「てめぇじゃねぇ!」と言ったそうです。その後、Aさんは意識を失いました。

後にわかったことですが、数年前にその山道で轢き逃げ事故があり、男性が亡くなっていました。犯人は未だ捕まっておらず、亡くなった男性は毎晩、そこを通る車を調べ、自分を轢いた犯人を探していると言われていました。

関連記事

襖をひっかく音

僕の親友の小学校時分の話。 今から二十年も前のある日。両親が共働きだった彼は、学校から帰ると一人、居間でテレビを見ていた。 しばらくすると玄関の引き戸が開く音がするので、母…

エレベーター

病院での心霊体験

自分が子供の頃の話。 両親の付き合いで誰か(多分二人の共通の知り合いか何かだと思う)のお見舞いに行ったんだ。 何故か病室には入れてもらえず、その階の待合室で弟と絵本を読みな…

峠

イキバタ

友人は「俺って社会不適合者だよね!」と笑いながらタバコを吸う。 現在高校生やり直し中の通称「イキバタ」さん。行き当たりばったりを略しての渾名らしい。 俺はもう卒業したのだが…

背無し

会社からの帰路の途中、ある大学の前を通る。 そこは見晴らしの良いただの直線だが、何故か事故が多いことで有名だった。 その道をあまり使わない人には分からないだろうが、毎日車で…

新小岩駅(フリー写真)

腕を探す男

少し前の事だが、JR新小岩駅のホームで変な男を見た。 サラリーマン風の男が、 「僕の腕知りませんかー」「僕の腕知りませんかー」 と甲高い大声を上げながら、ホームを行っ…

オンマシラの儀

俺の実家周辺はかなり山深くて、未だに携帯の電波も届かない。 子供の頃はTVゲームも知らず、山で遊ぶしかない暮らしだった。日が暮れるまで山で虫を捕まえたり、基地を作ったり…。 …

釘

恨みクギ

俺が若かった頃、当時の彼女と同棲していた時の話。 同棲に至った成り行きは、彼女が父親と大喧嘩して家出。彼女の父親は大工の親方をしている昔気質。あまり面識は無かったが、俺も内心びび…

競売物件

競売物件

自動車免許を取りに免許センターへ通っていた時に仲良くなった人から聞いた話。 筆記試験が終わり、知り合いも来ていないし一人でぼーっとしていると、20代後半くらいのサラリーマン風の人…

消防隊員(フリー写真)

見知らぬお婆さん

もう15年も前の話。 当時、俺は小田急線の経堂に住んでいて、夜中に城山通り沿いのコンビニまで夜食を買いに行った。 自転車で城山通りを走っていて、コンビニ近くのバイク屋の前を…

もう一つの顔

学生時代の友人のM美の話をしようと思う。 その日、私はM美が一人暮らしをしているアパートへ遊びに行った。 私は絨毯に横になりながら、M美はベッドに腰掛けてのんびりくつろいで…