六年間、誰も入らなかった病室
母の入院先で毎週見かけた、白いパジャマの老人。優しい言葉に支えられた二ヶ月半のあと、看護師から告げられたのは、誰も入らなかった病室だったという事実でした。…
母の入院先で毎週見かけた、白いパジャマの老人。優しい言葉に支えられた二ヶ月半のあと、看護師から告げられたのは、誰も入らなかった病室だったという事実でした。…
北海道・室蘭の古い病院で左手首を手術した夜、赤いパジャマの女の子が痛む腕を撫でてくれました。けれど、その病院の小児科は三年前になくなっています。四階の突き当たり…
消灯前の見廻りで、非常階段の踊り場に三歳くらいの子が立っていました。壁を向いたまま、踊り場の点滴台の支柱を掴んでいます。台にはポンプが付いていて、白いテープに七…
盲腸で入院した中学二年の夜、カーテン越しに聞こえた優しい声は、鉄道の保線をしていたという隣のお爺さんのものだった。退院の日にお婆さんが渡した手紙が、手術前夜の六…
夜勤で内科外来へ紙の記録を取りに行くと、入ったときには無かったはずの白いラベルのカルテが床に落ちていました。うちの病院で白はどの区分にも使われていない色です。棚…
入院中の病室に立つ老人を見たという友人に、冗談で勧めた病室の盛り塩。その夜、友人が見た藁葺き屋根の夢と、朝になって溶けていた塩の写真。右と左の障子の向こうに何が…
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