七階の赤い空とエレベーターの乗客
昼のマンションで、俺は八階のおばさんと運送屋と三人でエレベーターに乗った。箱は一階へ向かわず、七階の赤い空へ扉を開いた。降りた二人は戻らず、管理人は言った。この…
昼のマンションで、俺は八階のおばさんと運送屋と三人でエレベーターに乗った。箱は一階へ向かわず、七階の赤い空へ扉を開いた。降りた二人は戻らず、管理人は言った。この…
紀伊の山あいの集落では家の戸をみな同じ形に作り、閉めるたびに数える習わしがありました。中学二年の朝、私は開けたはずの引き戸から玄関へ出てしまい、怖くなって一度閉…
県境の低い山にあるという工事中の寺を、後輩と二人で探しに行きました。霧の参道で墨染めの行列に出会い、袖から腕が覗いた瞬間、そのうちの一体が参道の先へ声を張り上げ…
休職中の帰省で、乗り換えの電車が消えた。降りた先は、昭和十九年に廃止されたはずの駅だった。声を出せない駅員と、老人の地図の裏に並ぶ読めない文字。母の記憶とも食い…
最終電車で眠り込み、目を覚ますと、終点は、真っ白なドームの駅でした。読めない駅名、灰色の人々、橙色の空。家にも、電話が、つながりません。私が、その異空間から持ち…
仕事帰りに電車で寝過ごし、降りた駅は「ゆやみ」という見知らぬ無人駅でした。鳥居、濁った目の老婆、山に灯る提灯、そして手を引く男の子。帰宅後にいくら調べても、その…
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