忠告

公開日: 不思議な体験 | 怖い話

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先日事故で意識不明、心肺停止状態で病院に運ばれた時、気が付くと処置室で自分が心臓マッサージをされているところを上から見ていたんです。

これが幽体離脱というやつだなと解って、自分の体に戻ろうとしたのですが、どこから入れば良いのか分からずあれこれ試していたら、臍から繋がっていた糸みたいなものを間違って切ってしまったのです。

すると急に首のあたりを誰かに掴まれ、真っ暗な場所に連れて行かれました。

何も見えない場所でしたが、微かに人の声のような音がする方向へ歩いて行き、急に明るい場所に出たと思ったら、そこは洞窟の入口でした。

その洞窟に入って間もなく別れ道になっていました。

どちらへ行こうか迷っていると、白い着物を着た人たちが右の方へ入って行くので、僕もそちらへ進んだのです。

何時間か歩いてヘトヘトになった頃、前を歩いている人が急に振り返って、

「ここから先は君の来る所じゃないよ、さっきの別れ道を左に行きなさい」

と言うのです。

しかし僕は、

「ずっと後を歩いているのに、なんで入口で教えてくれないんだよ!」

と憎まれ口を叩き、彼を無視してそのまま歩き続けたのです。

そこから先何人も「引き返せ」と言っていましたが、無視して歩き続けました。

10人程の忠告を無視した頃、また急に明るい場所に出たかと思ったところで目が覚めました。

気が付くと病院のベッドの上で、お袋が手を握り涙を流していました。

あの時、周りの忠告通り戻って、左の道を進んだらどうなっていたのだろう…。

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