ニワトリ

公開日: 不思議な体験

chicken2

6月のある日の夕方に家に居ると、外出中の母親から電話がかかってきた。
かかりつけの病院に行って母の代わりに薬をもらって来てくれという内容だった。
俺は家を出て徒歩で病院に向かった。外は夕方と夜の中間みたいな感じの暗さだった。

俺が道を歩いていると、向こうからぼんやりと人影のようなものが浮かんだ。
最初は暗くてよく分からなかったが、こちらに近づいて来るにつれてだんだんはっきりしてきた。
どうやら子供が乗り物に乗ってるようだ。近づいてくるともっとはっきりした様子がわかった。
子供は頭に包帯を巻いていて、両手で何かを持ちながら一輪車に乗っているんだ。

俺は不審に思って立ち止まったんだ。そして一輪車に乗った子供が通り過ぎる時に、子供が両手で持っていたものが何なのかわかった。

それは生きたニワトリだった。

頭に包帯を巻いた子供が両手でニワトリを抱えながら一輪車に乗っている。
その子供は唖然としてる俺を通りすぎてそのまま曲がり角を曲がっていった。
俺は振り返りその子供に影がちゃんとあるのか確かめたが影はちゃんとついてた。幽霊じゃないみたいだ。

その後、俺はそのまま病院に行って薬をもらって家に帰ったんだが、あの子供が何だったのかは今もよくわからない。

関連記事

胎内の記憶

5才くらいの頃の体験なんだけど、白装束かローブのようなものを着た、髭もじゃの外国人のおじさんの家によく遊びに行っていた。 それが夢なのか実際に行っていたのかはよく分からない。 …

迷い道

昔、某電機機器メーカーの工場で派遣社員として働いていた時の話。 三交代で働いていて、後一ヶ月で契約が切れる予定で、その週は準夜勤(17:00~0:30)でした。 当時は運転…

バンザイ

何年か前、仕事の関係でマレー方面へ行った時の話だ。 その日、仕事も一段落したので近くにある大きな公園で一休みをしていた。 公園と言っても遊具は無く、ただ異常に広い原っぱが広…

版画(フリー素材)

婆ちゃんの戦時中の話

昔、婆ちゃんから聞いた戦時中の話を一つ。 第二次世界大戦中、うちの婆ちゃん(サノ)が10歳の頃の話です。 ※ 婆ちゃんはお姉さんと避難のために親元を離れ、田舎の遠い親戚の家に…

戦時中の校舎

戦時中の校舎

10年前の夏休み、母と一つ上の姉と共に母方の実家に遊びに行った。 そこは集落から少し離れた山の麓にあり、隣の家まで行くのに5分は歩くような場所だった。 当時、私たち姉弟の間…

プルタブ(フリー素材)

不思議なプルタブ

小学5年生の夏、集団旅行に行った帰りの事。 貸し切りの電車の中、友人と缶ジュースを飲みながら雑談していた。 私はスポーツ飲料を飲み干し、その缶を窓辺に置いて網棚の上から荷物…

小綺麗な老紳士

駅構内の喫煙スペースで私はタバコを吸っていました。 喫煙スペースと言っても田舎の駅なので、ホームの端っこにぽつんと灰皿が設置してあるだけの簡易的なものでした。 すると小綺麗…

抽象模様(フリー素材)

魑魅魍魎

今から2年くらい前の夏。 会社が夏休みで、連日ベッドの上でマンガを読みながらゴロゴロ昼寝をする毎日でした。 その日もいつものようにマンガを読んでいる内に眠ってしまった。 …

小学校

途切れた記憶

私は小学3年の冬から小学4年の5月までの間、記憶がありません。 何故かそこの期間だけ記憶が飛んでしまっているのです。 校庭でサッカーをして走っていたのが小学3年最後の記憶で…

横断歩道

佐藤大樹は誰なのか

前世の記憶があると言っても、それは鮮明なものではない。 生まれた瞬間から過去の記憶を持っていたわけではないし、何か特別な力を持っているわけでもない。 ただ、ふとした瞬間に…