守護

公開日: 心霊ちょっと良い話

横断歩道(フリー写真)

週末、飲み会で泥酔して帰った時の事。

家の前には深夜でも交通量が多く、事故の多い国道があるのだけど…。

普段は危ないから絶対に斜め横断なんてしないのに、酔った勢いでつい魔が差した。

横断歩道から体を乗り出して…よし、今通ってるダンプが行ったら渡ろうと確認した瞬間、まるで誰かにタックルされたような凄い衝撃と共に、体が道路に飛び出した。

目の前にはすぐダンプ。

まずいと思う間もなく、今度は思いっきり両太ももを後ろに引っ張られ、歩道に尻餅をついてしまった。

その自分の前を通り過ぎて行くダンプ。

『ああ、危なかった…』と安堵しふと脇を見ると、大量の花束とジュース、小中学生位の女の子が好きそうな雑誌が数冊並んでいた。

からかわれたのか助けられたのかは分からないけれど、合掌して新しいジュースを供えて来た。

取り敢えず、深酒と斜め横断はもう止めようと思う…。

後日談

昨日、気になって友達に聞いて知った事実。

一番最近の事故被害者は、近くに住む娘さんだった。

まだ中学に上がったばっかり。昔バイトしていたアイス屋によく食べに来ていた子だった。

母親が酷い人で、しょっちゅう「またお父さんが変わった」と泣きそうな顔で食べに来ていた…。

何だか可哀相過ぎて朝から涙が止まらない。

彼岸花(フリー写真)

祖母の隠れ場所

自分が3歳の時に父方の祖母が亡くなった。 皆さんお察しの通り、人の死という現実の認識が出来ない子供の事です。 私はキャッキャッと親戚が居る中をふざけながら走り回り、それこそ…

着物を着た女性(フリー写真)

止まった腕時計

友達のお父さんが自分にしてくれた話。 彼には物心ついた頃から母親が居なかった。 母親は死んでしまったと、彼の父親に聞かされていた。 そして彼が7才の時、父親が新しい母…

昔の電話機(フリー画像)

申し申し

家は昔、質屋だった。と言ってもじいちゃんが17歳の頃までだから私は話でしか知らないのだけど、結構面白い話を聞けた。 田舎なのもあるけど、じいちゃんが小学生の頃は幽霊はもちろん神様…

キャンプ場

少女のお礼

この話は僕がまだ中学生だった頃、友人の家に泊まりに行った時に聞いた話。 友人と僕が怪談をしていると、友人の親父さんが入って来て、 「お前たち幽霊の存在を信じてるのかい? 俺…

お婆さんの手(フリー写真)

差し出された手

これはある寝苦しい晩に体験した出来事です。 その日、猛暑と仕事で疲れていた私は、いつもより早目の21時頃に、子供と一緒に就寝することにしました。 疲れていたのですぐ寝入るこ…

月の虹(フリー写真)

夢枕に立つ友人

五年前、幼稚園時代からの幼馴染だった親友のNが肺炎で死んでしまった。 そいつはよく冗談交じりに、 「死んだらお前の枕元に絶対に立ってやるからな」 と言っていた。 …

夜の海(フリー素材)

ばあちゃんのまじない

部活の合宿で、他の学校の奴も相部屋で寝ていた時の事。 ある奴が急に魘され、布団の上でのた打ち回り始めた。起こそうとしても全然起きない。そのまま魘され続ける。 起きている奴等…

病院(フリー背景素材)

みほちゃん

看護学生の頃、友達と遊びに行った先で交通事故を目撃しました。 勉強中の身ではあったのですが、救急隊員が駆け付けるまでの間、友人の手も借りながら車に撥ねられた女の子の応急処置をしま…

旧い店舗(フリー写真)

長年の友への激励

米屋の店先で長椅子に座っていた米屋のじいさんが、ガックリ肩を落としたような格好でタバコを吸っていた。 すると「随分しょぼくれてんなぁー!ボケが始まっちまったかぁ? あぁ?」と大…

住宅(フリー写真)

苦労かけるな

夜に2階の自室で、一人で本を読んでいた時のこと。 実家は建てた場所が悪かったのか、ラップ現象が絶えなかった。 自分は単に家鳴りだと思っていたのだが、その日はポスターから音が…