寂しがりなじいちゃん

公開日: 心霊ちょっと良い話

お茶(フリー写真)

母方のじいちゃんが何年か前に亡くなったのだけど、家によく出るらしい。

殆どの場合はばあちゃんが目撃するのだが、対応が実に大らかだ。

ある日、ばあちゃんが台所仕事をしていると居間で気配が。

行ってみると、生前じいちゃんの定位置だった座椅子に、薄ボンヤリとしたじいちゃんが座っていた。

ばあちゃんは、

「テレビぐらい点けたら良いのに」

と言いながらリモコンを操作。

台所に戻ってお茶を淹れ、じいちゃんに出すとすうっと消えて行った。

またある日、またばあちゃんが台所仕事をしていると、開けておいた勝手口の向こうでじいちゃんが雨の中立っていた。

ばあちゃんは、

「このバカたれ!雨降ってんだから早く中に入れ!」

と怒鳴りつけ、乱暴に手招きしてじいちゃんを呼び入れた。

そして、体が冷えているだろうからと風呂を沸かしてやったら、風呂場からチャプチャプと水音が。

ばあちゃん曰く、

「じいちゃん寂しがりだったからねぇ。寂しいなら行ったり来たりじゃなく、ずっと居ればいいのにねぇ」

そういう問題なのかとは思うが、ばあちゃんは結構楽しそうだ。

関連記事

渓流(フリー写真)

川辺で会ったおじさん

小学5年生の頃、隣のクラスに関西からの転校生S君が来た。ある日の昼休み、体育館の片隅でS君がクラスの野球部数名から小突かれたりして虐められているのを発見した。俺は当時、…

枝に積もる雪(フリー写真)

おじいさんの足音

母から聞いた話です。結婚前に勤めていた会計事務所で、母は窓に面した机で仕事をしていました。目の前を毎朝、ご近所のおじいさんが通り、お互い挨拶を交わしていました。…

戻って来たお手伝いさん

おばあちゃんに聞いた、ささやかな話。母と二時間ドラマを見ていて、「お手伝いさんの名前って大抵○○やねえ」と言ったら、母が「そういやママが子供のころにいたお手伝いさんの一…

登山(フリー素材)

謎の救助隊

登山サークルに所属していた3人の男性が、冬休みを利用してある山に登ることを決めました。彼らのレベルではまだ早いと言われましたが、若さにかまけて無理やり登山を決行することにしまし…

猫(フリー写真)

親猫の導き

アパートで一人暮らしを始めた頃、アパート周辺を猫の親子がうろついていた。親猫と仔猫四匹。私はどういう訳か親子に懐かれた。アパートでは飼えないので下手に餌をやるのは避け…

天使のはしご(フリー写真)

成仏した女の子

私の母がまだ独身だった25年程前の話です。交差点を渡ろうとした時、前に10歳くらいの女の子が歩いていて、その子が目の前で左折しようとしたトラックの後輪に巻き込まれてしまった。 …

小綺麗な老紳士

駅構内の喫煙スペースで私はタバコを吸っていました。喫煙スペースと言っても田舎の駅なので、ホームの端っこにぽつんと灰皿が設置してあるだけの簡易的なものでした。すると小綺麗…

病室(フリー素材)

絵日記

この前、夜遅くの深夜にハッっと起きてしまいました。なんでいきなり起きちゃったんだろう…と思っていると、部屋の隅に何かの気配を感じました。眼を凝らして見てみると、それは…

犬(フリー写真)

お爺さんとの絆

向かいの家の犬が息を引き取った。ちょうど飼い主だったお爺さんの一周忌の日だった。お爺さんは犬の散歩の途中、曲がり角で倒れ込み、そのまま帰らぬ人となった。脳出血だったら…

ビル(フリー写真)

お迎え

二ヶ月前、以前在籍していた会社の社長が亡くなった。就職の決まらなかった私を拾ってくれて、生まれて初めての『回らない寿司』を食べさせてくれた。癌で入院しているのは知って…