このまま行くところ
公開日: 心霊ちょっと良い話
小学5年生の頃に転校して来た友達と仲良くなって、中学時代も変わらず仲良しだった。
でも彼は中学2年の昼休み中に意識を失い、二度と学校には来なかった。
原因は白血病で、よく登校中や下校中に「体が疲れる」と言っていたのを思い出した。
ドナーからの移植も虚しく、中学3年の途中で亡くなりました。
※
その亡くなる前日、今でもはっきり覚えているのですが、12月9日、一人で塾の帰りに最寄のバス亭を降りると、
「おーい、○○○!」
と彼が近付いて来たのです。そして、
「一時退院してさぁ、これ返そうと思ってお前の家に行ったら、塾に行ってて居ないじゃんか、だから持って来た…」
と言うのです。
彼から受け取ったのは、私が貸したゲームボーイカラー本体とカセットでした。
その後一緒に家まで送ろうとしましたが、
「今日このまま行くところがまだあるから」
と歩いて行ってしまいました。
※
家に帰ってそのことを話すと、彼は私の家には来ていないことが判明。
そして彼の自宅へ連絡するも留守電状態。
翌日、彼の父から、昨夜遅くに亡くなったと電話が来ました。
時刻はまさに私が彼と会った時間帯で、危篤の時でした。