眠りに落ちた美女

公開日: 意味がわかると怖い話

美術室(フリー背景素材)

ある日、僕は学校の美術室の掃除当番だった。

早く終わらせて帰ろうと急いでいたら、一枚の絵が大事そうに飾られているのを見つけた。

その絵はとても綺麗な女の人の肖像画だったのだが、少し不気味で目に特徴があった。

とても大きな瞳でこちらを見ている気がした。

何だか怖くなり、急いで掃除を終わらせて帰った。

次の日、学校は大騒ぎになっていた。例の美術室の絵が盗まれたのだ。

最後に絵を見たということで、僕は美術の先生に色々聞かれた。

「なるほど、掃除をしてた時にはちゃんとあったんだね」

「間違いないです。あの絵は高価な物なんですか?」

「あれは『眠りに落ちた美女』と言って、私の知人の画家が自分の娘の寝顔を見て描いたものなんだ。画家も娘ももうこの世に居ないけどね」

「そうなんですか…」

あの絵は結局見つからなかった。

不思議なことに泥棒が入った痕跡は無かったらしい。

編注: 寝顔を描いたという絵が、大きな瞳でこちらを見ていた。

関連記事

降りなければ

ある家族が妻の実家に遊びに行くために田舎までのバスに乗っていた。 山のふもとあたりまできたときに、子供が「おなかへった」とだだをこね始めたので、仕方なく途中のバス停で降りて近くの…

カレンダー

カレンダーの断片

久しぶりに実家へ帰った。 玄関を開けた瞬間、母の記憶が蘇る。 認知症を患っていた母は、いつも父を困らせていた。 食事を忘れたり、夜中に起き出しては家中をうろついたり…

娘の目

最近の話なんだけど、電車での人身事故を目撃してしまった。 私と小学4年生になる娘と2人で家から2駅離れたショッピングモールで買い物をした帰り道でのこと。 私たちが駅のホーム…

能力

ニューヨークの地下鉄を私はよく利用する。 毎朝通勤の度に地下鉄構内で何やらぶつぶつ言ってる一人のホームレスの男がいた。 男の近くの壁に寄り掛かり、内容を盗み聞きした。 …

消える死体

ある日、しゃくに障る泣き声なので妹を殺した。 その死体は井戸に捨てた。 次の日、井戸を見に行くと死体は消えていたのだった。 5年後、些細なけんかで友達を殺した。 その死…

三文字

俺は、某所のある古いアパートで一人暮らしをしている。このアパートは二階建てで、各階四号室までのごく普通のアパートだ。 ちなみに俺は104号室に住んでいる。ある日、いつものスーパー…

カメラ(フリー素材)

何でもない心霊写真

誕生日にホームパーティーを開いた。 家の中でみんなの写真を撮っていたら、変なものが写った。 背後の押入れから見知らぬ青白い顔の女が顔を出し、こちらを睨みつけている。 …

世界一怖いお化け屋敷

「さあさあ、ランドに来ておいて、このお化け屋敷に入らないって手はないよ!」 お化け屋敷の前でゾンビらしき恰好をした男が声を張り上げている。 ゾンビの前には数人の客が面白そう…

交通事故で亡くなった家族

警官をしている友人が数年前に体験した話。 そいつは高速道路交通警察隊に勤めているんだけど、ある日他の課の課長から呼び出されたんだって。 内容を聞くと、一週間前にあった東北自…

ホームパーティ

誕生日にホームパーティを開いた。 その時、家の中で俺を囲んでみんなで写真をとってら、変なものが映っちゃったのよ。 背後の押入れから、見知らぬ青白い顔の女が顔を出して、睨みつ…