埋めたはずなのにな…

雪山(フリー写真)

ラジオで聞いた、カメラマンの方が体験した話。

ある雪山へ助手と撮影に行った。雑誌の仕事だった。

撮影何日か目に助手が怪我をした。

まだ予定枚数が撮れていないので、雪山を降りる事は出来ず撮影続行。

助手の怪我は悪化し、何日後かに助手は死亡。

それでも仕事を終えていなかったので山を降りる事は出来なかった。

仕方無く泊まっていた山小屋の側に助手を埋め、一人で撮影を続けた。

朝、カメラマンが目を覚ますと何故か助手の死体が横にある。

「埋めたはずなのにな…」

と、また助手の死体を埋めて撮影へ。

これが何日も続くので、流石におかしいと思い始めた。

そこで最終日、自分の寝姿が映る位置に、連続写真が撮れるカメラを設置して寝た。

次の朝、やはり助手の死体は自分の横にあった。

下山して会社に戻ったカメラマンは、昨夜山小屋に設置したカメラのフィルムを自分で現像した。

そこに映っていたのは、起き上がり、寝袋から出て、山小屋から出て、助手の死体を担ぎ、自分の横に置く、自分の姿だった。

関連記事

廃屋の窓(フリー写真)

半分の家

じいちゃんから聞いた話。 従軍中、幾つか怪談を聞いたそうだ。その中の一つの話で、真偽は不明。 ※ 大陸でのこと。 ある部隊が野営することになった。 宿営地から少し…

旅館での一夜

甲府方面にある旅館に泊まった時の話。 俺と彼女が付き合い始めて1年ちょっと経った時に、記念にと思い電車で旅行をした時の事。 特に目的地も決めておらず、ぶらり旅気分で泊まる所…

小学校

途切れた記憶

私は小学3年の冬から小学4年の5月までの間、記憶がありません。 何故かそこの期間だけ記憶が飛んでしまっているのです。 校庭でサッカーをして走っていたのが小学3年最後の記憶で…

外でお経を読むこと

一応これでも修験道の行者をやっています。お寺と師弟関係を結び、京都にある某本山で僧籍を持っています。 そんな私が駆け出しの頃に体験した怖い話です。 やはり修行をしていますと…

かごめかごめ

この話は、実際に友人が遭遇した話で、彼もその場所はついに教えてくれませんでした。 実際に人が2人死に、彼も警察にしつこく尋問されたそうです。 これは私が大学時代にその友人か…

ビル(フリー写真)

鳴り続ける電話

先日、年末の追い込みで一人残業をしておりました。 残業規制厳しい折、電灯は自分の席のみに限定され、結構広い事務室は私の席を残して後は全部真っ暗の状況。 商店街の一角の会社と…

街並み

見知らぬ街で目覚めた日

2001年の秋、私は風邪を引いて寒気を感じていました。症状を抑えるため、大久保にある病院に行くことにしました。西武新宿線の車内でつり革につかまり、頭痛がひどくなってきたため、目を閉じ…

鏡の中のナナちゃん

私は幼い頃、一人でいる事の多い子供でした。 実家は田舎の古い家で、周りには歳の近い子供は誰もいませんでした。 弟が一人いたのですが、まだ小さくかったので一緒に遊ぶという感じ…

山道

お遍路さんの道標

俺は九州出身なのだが、大学は四国へ進学した。以下はゼミの先輩から聞いた話だ。 四国と言えば八十八ヶ所霊場巡りが有名だが、昔は大変だったお遍路も今では道が整備され、道標も各所にあり…

山の神様と冥界への道

私の父親は山好きです。当然、山関連の友人も多く、私も山へ行く度にそうした方々と話をしました。 そして、その友人の中にAさんという方が居ます。 私が彼と最後に話をしたのは高校…