カーテンの上から

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10年以上前の話ですが…。

大阪の某公園で、足を骨折して入院した時の出来事です。

その病院は夜21時に消灯する所で、取り敢えずベッドに横になっていた訳ですが、少し経ってから足音が聞こえてきました。

看護師さんが見廻りしているんだなと思っただけで、気にはしていなかったのですが、ドアの開く音がしていないのに足音が近づいてきました。

仕切り代わりのカーテンがあるのですが、その下から看護師さんの足が見えたと思ったら、そこで止まって動かない。

少し経って、なんだかカーテンの上の方が気になり見てみたら、看護師さんがカーテンの上からジッとこちらを見ていた。

カーテンは、高さ2メートル以上あって、天井との隙間が少ししかないのに、その間から顔と右手を乗り出した格好で、少し首を傾けたまま、こちらを見ていた。

そして、その右手が段々こちらに近づいてきた。

あまりの怖さに布団に潜ってガクブルしていたら、いつの間にか気を失っていて、気付いたら朝だった。

それを見たのはその日だけで、特に何かが起きた訳ではないが、未だにその顔が脳裏から離れない。

これを書いている時も、その顔を思い出して鳥肌が立ちまくっている。

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