胸騒ぎ

wallpaper362_640_1136

小学校のころ、塾の先生に聞いた話です。

その先生は現役の大学生で、その大学の友人に妙な体質の人がいたそうです。

仮にその友人Aさんとしますが、彼はごくたまにものすごく胸騒ぎするときがあるそうです。

正月前、先生の部屋で二人で飲んでいた時に、急にAさんが真っ青な顔をして額から大汗をかき出したので、先生がどうしたのかとききました。

Aさんはそれには答えずに、部屋の電話を取り上げて、懐から手帳を取り出し、そこに書かれた親しい友人の連絡先に、片っ端から電話をし始めたんです(当時携帯はなかった)。

しかも、電話して何を言うかといえば、

「今どこにいる? そうか。今日は○○(この町の名前)から絶対に出るなよ。理由は後で説明するから」

何人か電話にでなかった人もいました。

かけ終わって、先生は彼に説明を求めました。

Aさんが胸騒ぎを覚えるときには、自分に親しい友人で自分の近くの場所にいない人が、必ず死ぬんだそうです。

この時は、いち早く本州に帰省していた人が、実家近くの交差点で事故に遭い亡くなったそうです。

時間的には、彼の胸騒ぎ後、2時間ほどたった時でした。

関連記事

林道(フリー写真)

姥捨て山

俺の兄貴が小学生の頃、まだ俺が生まれる前に体験した話。 兄貴が小学5年生の春頃、おじいちゃんと一緒に近くの山へ山菜採りに入った。 狙っていたのはタラという植物の芽で、幹に棘…

星空(フリー写真)

霊感少女

もう随分前になるけれど、僕が体験した死ぬ程洒落にならない話。 当時大学生だった僕は恋をしました。相手はバイト先で知り合った子。 バイト仲間数人で遊びに行ったりして仲良くな…

柿の成る家(フリー素材)

ジロウさん

23年程前の話。 俺の地元は四国山脈の中にある小さな村で、当時も今と変わらず200人くらいの人が住んでいた。 谷を村の中心として狭い平地が点在しており、そこに村人の家が密集…

田舎の風景(フリー素材)

垣根さん

中学生の頃の話。 当時は夏休みになると父方の祖父母の家に泊まりに行くのが恒例になっていた。 と言っても自分の家から祖父母の家までは自転車で20分もかからないような距離。 …

蛇

ナール・ナーシュ

これは現在進行中の話。一応自己責任系に入るかもしれないので、読む方はその点ご了承の上でお願いします。 7~8年前、自分はパワーストーンに嵌っていて、色々集めていました。 集…

女性

リゾートバイト(中編)

次の日、殆ど誰も口を利かないまま朝を迎えた。沈黙の中、急に携帯のアラームが鳴った。いつも俺達が起きる時間だった。 覚の体がビクッとなり、相当怯えているのが窺えた。覚は根が凄く優し…

文字化けメール

去年の3月の事。俺は高校を卒業し、大学へ通うようになるまでの数週間、暇を持て余してひたすら遊び歩いていた。 そんなある日の夕方、友人(A)から「暇だからドライブ行こうぜ!」という…

山道(フリー写真)

かなめさま

長くなるがどうか聞いて欲しい。 俺が昔住んでいた場所はド田舎で、町という名前は付いていたものの、山間の村落みたいな所だった。 家の裏手の方に山道があり、そこに「かなめさま」…

今、神様やってるのよ

うちの母方の実家が熊本県にあるんですけど、ずっと実家に住んでいる母のお姉さんが、先日遊びにきました。 ちょうど『ターミネーター2」がTVでやっていて皆で観ていたんです。 映…

山小屋(フリー画像)

けんけん婆あ

子供の頃は近くの山が遊び場で、毎日のように近所の同世代の友だちと一緒にそこで遊んでいた。 この山の通常ルートとは別の、獣道や藪を突っ切った先には謎の廃屋があり、俺たちにしてみれば…