白昼の幽霊

公開日: 心霊体験

河原の風景(フリー写真)

小学校低学年の頃の話です。

可愛がっていたセキセイインコが死んでしまいました。

近くに川があるので、川に流してあげようと川へ向かいました。

河原は石が敷き詰められ、歩くと「カリ」「ジャリ」などと音がします。

その河原を50メートルほど歩いて、橋の下の所まで行きました。

そこにしゃがんで、インコを流そうとした時です。

不意に、

「死にましたか」

と声がします。

ビックリして後ろを振り向くと、痩せた女の人が立っていました。

「うん」

素っ気なく返事をして、再び川の方を向き、インコを流しました。

その時は内心『川に流すと怒られるのかな』『早く行ってくれないかな』とだけ思っていました。

「流れましたね」

「うん」

と言って後ろを振り返ると、誰も居ませんでした。

唖然としました。

河原を歩く音もしなかったし、川の回りは5メートルくらいの石垣になっていて、川から出るには50メートル先の入り口まで行かなければなりません。

そう気付いた時、『おばけだ』と思いました。

日が高いので怖さは何もありませんでしたが、不思議な経験でした。

白昼の出来事です。

関連記事

着信あり

自分なりに恐かった体験を書いてみようと思う。 もう4、5年は経ったし、何より関係者全員が無事に生きてる。 恐い思いをしただけで済んだのだからいいやと思う反面、やっぱりあれは…

襖をひっかく音

僕の親友の小学校時分の話。 今から二十年も前のある日。両親が共働きだった彼は、学校から帰ると一人、居間でテレビを見ていた。 しばらくすると玄関の引き戸が開く音がするので、母…

古いアパート

アパート101号室

昨年夏に放送された深夜の特別番組「超オフレコの恐怖体験」は、その名の通り、心霊現象が囁かれる物件を取り上げ、視聴者に寒気をもたらした一夜でした。 伝説に包まれたある古びたアパー…

後悔

今日ここで、私が9年前から苦しめられ続けている後悔と恐怖の記憶を、この話を見た人にほんの少しづつ、持って行ってもらえれば良いなと思い、ここにこうして書かせてもらいます。 実際に何…

郵便受け(フリー写真)

空き家に届く封筒

以前仕事で聞いたことを書いてみる。 あまり詳しく書くと職責に触れるので、結構改変するからフィクションとして見て欲しい。 ※ 郵便配達の仕事をしていた頃のある日、誰も居ない空き…

夜の病院(フリー背景素材)

深夜病棟の見廻り

3年程前の話です。 私は地方の総合病院で看護師をしていました。 準夜勤で消灯の準備をしていた時のことです。 消灯の前には病室だけでなく、病棟全体を見廻る決まりでした。…

箪笥(フリー写真)

形見の箪笥

高校時代の英語教師に聞いた話。 解り易い授業と淡々としたユーモアが売りで、あまり生徒と馴れ合う事は無いけれど、なかなか人気のある先生でした。 ※ 昔、奥さんが死んだ時(話の枕…

抽象画

息子を迎えに来ますからね

知人のおばあさんは我が強くて恐い人だけど、自分の母親の話をする時だけは顔つきが穏やかになる。その人から聞いた昔話が原因の出来事。 ※ そのおばあさんの母親(仮にAさんとする)は、お…

峠(フリー写真)

夢の女と峠の女

俺は幽霊は見たことがないのだけど、夢とそれに関する不可思議な話。 中学3年生くらいの頃から、変な夢を見るようになった。 それは、ショートヘアで白いワンピースを着た二十代くら…

少年と祖母

今年33歳になるが、もう30年近く前の俺が幼稚園に通っていた頃の話です。 昔はお寺さんが幼稚園を経営しているケースが多くて、俺が通ってた所もそうだった。今にして思うと園の横は納骨…