生き霊

公開日: 本当にあった怖い話

beautiful_abstract_girl_black_and_white_version-1523157

母の会社の同僚の話。仮に村上さんとします。

村上さんはいつからか、肩こりのようなものに悩まされていた。それまでは、そういった事に悩むような事は全く無かったそうです。

若い時に旦那を亡くしたらしく、子供もいなくアパートに一人暮らしなのだが、肩こりが始まるようになってから毎晩、不思議な気配を感じるようになったという。それも右肩あたりに。

他にもおかしな事があった。会社で吉井さん(仮名)という人と過去に何かあったらしくとても仲が悪く、というよりも憎しみ合っていて、何かにつけて衝突していたのだが、肩こり以来、吉井さんは全くつっかかってこなくなったそうです。

その代わり目が合う度に、不気味な笑みを浮かべたという。

日に日に状態は悪化していき、肩こりではすまなくなったので病院に行きました。

醜く腫れ上がりかなりの熱をもっていたが、全くの原因不明。その後も通院したが、全く回復せず。

そんなある日、法事で実家に帰った村上さんにお坊さんは怪訝そうにこう言う。

「あなたの右肩、何か良くないね。一度祓ってもらった方がいいよ」

親戚の目もあり、そこで深くは聞かなかったが、アパートに戻ると早速、祈祷師を呼んだ。

やってきた祈祷師は、村上さんを見るなり愕然とし、

「あなた、生き霊に憑かれてるわ」

と言いました。

祈祷師曰く、生き霊は肉体も生きている分、死んだ霊よりも霊力が強いのだという。その日一日では、祓いきれず何日もかかると言われました。

まだ痛みはあり、御祓いもまだ続いていたが、大分良くなった村上さんは久しぶりに会社に顔を出し母たちにその話をしていた。

そこへ目の下に、もの凄いクマを作った吉井さんがやってきて村上さんに言った。

「あなた、生き霊につかれてるんでしょう。それねえ、あたしなのよ」

ぞっとする笑みを浮かべて。

その後も、吉井さんは会社に来ていたが、村上さんは来ることはなかったそうです。

それまであった、吉井さんの目の下のクマが消えた日だったそうです。昨日、村上さんが亡くなったという話を聞いたのは。

お通夜に吉井さんの姿をみたらしいが、終始不気味な笑みを浮かべていたという。

現在も、吉井さんは会社に来てるそうですが、そのことを聞く人も、近付く人すらいないそうです。

関連記事

クリスマス(フリー写真)

塾のクリスマス企画

俺が小学生だった頃の話。 近所の小さな珠算塾(ソロバン塾)に通っていた俺は、毎年クリスマスの日の塾を楽しみにしていた。 クリスマスの日だけはあまり授業をやらずに、先生が子供…

思い出のビデオ

先月、父親からビデオが送られてきたんだ。 それは、昔、父が僕の姿をビデオカメラで撮影していたもので、1時間30分くらいに編集されていた。 誕生日会やホッケーの試合、クリスマ…

親子の会話

僕の家から会社までは、小さな私鉄の電車で約30分です。 都会では考えられないでしょうが、行きも帰りもほとんど座って通勤しています。 その電車で帰宅途中、無気味な出来事を体験…

呪われた土地

俺の親友の話をしたいと思う。 小4の頃にそいつ(以下H)の親が二階建ての大きな家を建てた。 建設業を営むHの父親が建てた立派な外観のその家は、当時団地住まいだった俺にとって…

為松の竹林

昔、うちの近くの山の麓に「為松の竹林」と呼ばれていた場所があった。 文字通り竹林だったらしいが、戦後は住宅地になり、それを知る年寄りももう殆どいない。 竹林になる前、明治・…

OK

小学生の頃、学校でコックリさんをやりました。 当時は人面犬や口裂け女など怪しい噂のブーム再燃と言った感じで、TVはもちろん、コロコロコミックなどの児童雑誌でも怪談話が山のように掲…

ど田舎の小学校

俺は小学1年の夏に引っ越して、ど田舎の小学校に転入した。 引っ越す前までは気ままに過ごせていたんだけど、引っ越してからはよそ者ということも含めて周囲から浮いてしまい、アウェイな生…

不気味なカセットテープ

今から10年程前、俺が通ってた中学校はA県M市M中学校だった。 恐山のある街を検索すれば判ると思う。 校舎は3階建てで、職員室側と教室側に分かれてた。 職員室側は1階…

オノ

大学一回生の夏。私たちの間で心霊スポット巡りが流行っていた。 その日も友人A(女)と、Aの彼氏Bとその友人C(男)と4人で、関西で心霊スポットとしてはかなり有名な、U病院という廃…

刑ドロ

小さい頃から柔道をやっていたのだが、そこで起きた話。 その道場では毎年12月の初め頃に「鏡開き」をやっていた。 夕方18時から夜の22時くらいまで、道場がぜんざいやおせちを…