本当に生きてる子どもなの?

公開日: ほんのり怖い話

img_1512615_61168835_0

数年前の話だけど、年に1度くらいの割合で間違い電話がかかってきていた。

だいたい平日の午後にかかってきた。出ると「ママ?」という一言だけ。

小さな子ども特有の、性別もあやふやな甲高い声。

1人で留守番して寂しくなってママの携帯にかけちゃったのかと思い「違いますよー」と答えて切ってたけど、4年目くらいの時、何気なく「あなたは誰?」と聞いてみた。

「………」

数秒の沈黙の後カチャリと電話は切れ、それから2度とかかってくることはなかった。

でも、今になって考えるとおかしな点ばかり浮かんでくる。

「ママ?」しか言えない子だから3つくらいかと勝手に思っていたけど、3歳で携帯の番号を押せるのか、とか。

もし家電の短縮ダイヤルに入れてるなら間違えた番号を何年も放置しないだろうし、例え3歳でも4年経てば小学生。「ママ」以外にも言葉は喋れるはずなのに変だ、とか。

あと、最後の電話の時に気がついたのは、受話器の向こう側からまったく音がしないこと。テレビや生活音みたいなものが聞こえてこなかった。

友人曰わく

「それって本当に生きてる子どもななの? リダイヤルしなくて正解だったね」って。

今はスマホに変えても前の番号を継続して使っているけど、登録していない着信番号から電話がくるとビクッとする。

関連記事

プラットフォーム

プラットフォームの向こう

小学校低学年の時だから、かなり昔の事になります。 私はその日、母に手を引かれ、遠縁の親戚を訪ねるため駅に来ていました。 まだ見慣れない色とりどりの電車に、私は目を奪われてい…

赤い服の女の子

以前に書き込みした者ですが、もう一つ、二十年程前の話をします。 私はオカルト掲示板でもお馴染みの、例の生き人形の生放送を見ました。 スタジオがパニックになったなど詳細は覚…

教室(フリー写真)

記憶にない女の子

このエピソードは、私の友人であるAさんが小学校6年生だった頃の出来事である。 ※ ある休み時間、彼女は友人とトイレでおしゃべりをしていました。 すると、トイレの入り…

妹を守るために

これは知り合いの女性から聞いたマジで洒落にならない話です。一部変更してありますが、殆ど実話です。 その女性(24歳)と非常に仲の良いA子が話してくれたそうです。 A子には3…

プレゼント

中学生だった頃、いじめが原因で同級生が自殺した。 親の引っ越しか何かで転校してきた子で、性格もあまり明るい子じゃなかったから、すぐにいじめの対象になった。 そして、私も暗い…

少年と祖母

今年33歳になるが、もう30年近く前の俺が幼稚園に通っていた頃の話です。 昔はお寺さんが幼稚園を経営しているケースが多くて、俺が通ってた所もそうだった。今にして思うと園の横は納骨…

口(フリー素材)

両親の不可解な行動

自分の錯覚と言われてしまえばそれまでなのだけれど…。 当方大学一年。両親と一緒に暮らしている。最近引っ越すまで 2LDKのアパートに住んでいた。 「私の部屋」「キッチンを挟…

繁華街

実録・口裂け女事件

1979年6月21日午前3時頃、兵庫県姫路市野里で奇妙な出来事が発生しました。 タクシー運転手が目撃したのは、腰まで垂れる長い髪の女性で、真っ赤な口が耳元まで裂けており、白い長…

切り株(フリー写真)

植物の気持ち

先日、次男坊と二人で、河原に蕗の薹を摘みに行きました。 まだ少し時期が早かった事もあり、思うように収穫が無いまま、結構な距離を歩く羽目になってしまいました。 視線を常に地べ…

エレベーター

ワープする部長

会社でのぬるい話をひとつ。 コンサル部の部長は時々ワープするらしい。 打ち合わせ中に他の場所で目撃されたり、出張中なのにかかってきた電話に出ていたりと、「瞬間移動できる」ま…