公開日: ほんのり怖い話

Abandoned_WIP_by_Asarav

精神病棟では、病状の軽度により、週末など決まった期間自宅に帰るのを許される患者もいる。

毎週末に外泊を許されていたA氏(50代男性)。日々その時を待ち侘びていたそうだ。

週末、A氏は家族(娘さん)の迎えの車に笑顔で乗りこんで出発。

ここまではいつもと何も変わらなかった。

週明け。時間になってもAさんが戻って来ない。

職員が自宅へ電話。Aさんの妻が出て、そこで発覚した事に全職員が驚愕した。

妻は、夫が外泊許可を得ていたことを初めて知ったそうだ。

子供もいない。

いつも迎えに来ていた娘は誰だったのか?

A氏は未だ行方不明のままだそうだ。

関連記事

夜の病室

ハセベさん

小学1年生の時に病気で入院し、夜中に病棟で毎晩のように泣いていた。 泣き始めるとすぐに看護婦さんが来てくれて、寝つくまで一緒に居てくれた。 ハセベさんという看護婦さんで、…

郵便受け

『Y』

ある日、私の一人暮らしのアパートの郵便受けに『Y』という名前が汚く鉛筆で書かれていた。 私の苗字のイニシャルは『Y』ではない。 不思議に思ったが、いちいち私の部屋の3階か…

伊勢神宮参り(宮大工7)

オオカミ様のお社を修理し終わった後の年末。 親方の発案で親方とおかみさん、そして弟子達で年末旅行に行く事になった。 行き先は熱田神宮と伊勢神宮。 かなり遠い所だが、三…

京都のお寺(フリー写真)

ミルクキャラメル

小学1年生の頃、よく自分の家のお墓があるお寺で一人遊んでいた。 池の鯉を見たり、お寺に飼われていた猫のミケと遊ぶのが楽しかった。 じいちゃんのお墓参りをして、周りに生えて…

お寺

綺麗な飾りの下

父が友人の家に遊びに行くと言うので、私は一緒に付いて行きました。 私は小学二年生でした。父の友人というのはお寺の住職さんでした。 父達が話している間、退屈になった私は、人…

団地

団地の謎のおばさん

母がまだ幼かった頃、一家で住んでいた団地での不可解な出来事です。 ある日、母と母の姉(私の伯母)が外で遊ぶために家の階段を降りていました。一階の団地の入口に、見知らぬおばさんが…

お通夜の日

おじいちゃんのお通夜の日の話です 当時高2の俺は、別に手伝う事も無かったので、準備が終わるまで自分の部屋で音楽を聴きながらまったりとしてたんです。 それでちょっと眠くなって…

機関車(フリー写真)

電車の幽霊

埼玉の三郷に操車場跡という所があります。地図にも載っています。 心霊スポットとしては途中のお化けトンネル(化けトン)が有名ですが、体験したのはその近くの建物です。 操車場は…

タクシー(フリー写真)

黄色いパジャマの子供

去年の暮れの事。 池袋のとあるレストランで会社の忘年会があった。 二次会は部署内で、三次会は仲間内での飲み会になった。 家路につこうとする頃には終電も過ぎ、タクシー…

アパート(フリー写真)

好条件物件

まだ自分が大学在学中、あれやこれやがあって、気分を変えるため引越しをすることにした。 大学のそばにある不動産屋で、大学と係わりの強いおばちゃんに条件を提示しつつ、お勧めの物件につ…