孤独

公開日: ほんのり怖い話 | 怖い話

古民家の居間

中島らも氏のエッセイで読んだ話。

新聞の投書欄に送られて来た独居老人の手紙です。

『定年で会社を辞めてから随分経つが、ここのところ出先から帰ると居間に自分が居る、ということがよくある。

他にも焼き魚がビチビチと跳ねたり、妻に先立たれて退屈な日々を送っているには違いないが、ユーモアにしてもいささか度を越しているように思う(以下省略)』

中島らも氏は、

「本人は『ユーモラスな体験投書』のつもりでいるところが鳥肌」

と評していたが、まったくもって同意。

ドッペルゲンガーを見てしまったのか、孤独に耐えられず、ゆっくり狂って行ってしまったのか…。

関連記事

見知らぬ子ども

見知らぬ子ども

Sさんには二人の子どもがいる。上は幼稚園に通い始めたばかりの息子さん、下はまだ3歳の娘さんだ。 新築の家を建てる際には、それぞれの子ども部屋も用意した。だが今のところ、その部屋…

かくれんぼ

かくれんぼの夢

これは四つ下の弟の話。当時、弟は小4、俺は中2、兄貴は高1だった。 兄貴は寮に入っていたから、家に帰って来ることは殆ど無かった。 俺は陸上部に入っていて、毎朝ランニングをし…

犬

犬との結婚

インドには約12億人の人々が暮らしており、その中には様々な信仰や伝統を持つ人々がいます。2012年、あるインド人男性の奇妙な行動がネット上で話題となりました。この男性、セルバ・クメー…

海の朝日

バイクの若者

母の同僚のおじさんが釣りに行った時のこと。 朝早く車で出掛けて行き、朝日が昇るまで車の中で焼酎を飲んで暖まっていた。 いつもは待機用の小屋のような所で過ごすのだけど、その…

残されていたもの

かつて、地方のとある旅館に泊まった家族の娘が、トイレで惨殺されるという事件があった。 事件現場は凄惨を極めた。 全身は滅多刺しにされ、顔は個人の判別もできないほどに破壊され…

折詰め

近所の中華屋でラーメンを食ったんだが、金を払おうとしたら店主がいらないと言うんだ。 「今日でお店終わり。あなたが最後のお客さん。ひいきにしてくれてありがとう。これ、おみやげ」と、…

山(フリー素材)

人喰い寺

ある山中に、周りと異なって木が生えていない、少し開けた場所があります。 昔はそこにあるお寺が建っていたそうです。 その山は山菜が豊富に自生していて、地元の人は秋の実りの恩恵…

病院の老婆

一年程前の話です。当時、私はとある病院で働いていました。 と言っても看護師ではなく、社会福祉士の資格を持っているので、リハビリ科の方でアセスメントやケアプランを作ったり、サービス…

水の中の女

今から20数年前、私がまだ高2の時の事だ。 当時私は部活に励んでいて、その日は梅雨真っ只中。 薄暗い夕暮れ時に、いつものように部活から帰っていた。 私はその頃奇怪な体…

婚約指輪(フリー写真)

鬼の面

私には15歳年の離れた兄が居ます。 私が10歳の年に、兄(当時25歳)がお見合いをしました。 ある程度話がまとまり、お嫁さんになるはずの方が家へ挨拶に来ました。 玄関…