首狩地蔵

公開日: 怖い話

霧の出た山(フリー写真)

私の母が通っていた中学校の近くには『首狩地蔵』と呼ばれるお地蔵様があるそうです。

そのお地蔵様は藪の奥まった所にあって、近付くと祟りがあると言われているそうです。

実際、お地蔵様の周りを掃除してあげるために近付いた人たちが、その途端に何人か亡くなってしまいました。

そのため祖母がまだ若かった頃、近所のお寺のお坊さんが供養しようと自分のお寺の境内にお地蔵様を運んだそうです。

しかしそのお坊さんもすぐに熱病で亡くなってしまい、それ以来お地蔵様は元の場所に戻され、誰も近付かなくなったそうです。

今では誰も近付かないため、お地蔵様のある藪は荒れ放題。どこにあるかは母も正確には知らないと言っていました。

もちろん祖母の世代はどこにあるかは知っているとの事ですが、私は怖くて場所を聞く事さえ出来ません。

そのお地蔵様が何故『首狩地蔵』と呼ばれているかと言うと、お地蔵様の首から上が、何故か刀で切られたかのように無くなっているそうなのです。

袈裟懸けで切られたかのように見えるため『袈裟懸け地蔵』とも呼ばれているそうです。

その事が祟りに何か関係あるのかもしれません。

私の母の実家は、静岡県西部の農家の多い田舎にあります。

問題のお地蔵様は、桜並木の近くの藪の中にあるそうです。

静岡県西部をお訪ねの方は、桜並木の近くの藪には無闇に入らない方が良いかもしれません。

関連記事

鮒おじさん

小学校4年生の夏休みの事で、今でもよく覚えている。 川と古墳の堀を繋いでいる細い用水路があって、そこで一人で鮒釣りをしてたんだ。 15時頃から始めたんだけど、いつになく沢山…

婚約指輪(フリー写真)

鬼の面

私には15歳年の離れた兄が居ます。 私が10歳の年に、兄(当時25歳)がお見合いをしました。 ある程度話がまとまり、お嫁さんになるはずの方が家へ挨拶に来ました。 玄関…

三号室の住民

その店はある地方都市の風俗街の中にあったので、出勤前の風俗嬢や風俗店の従業員の客が多かった。 かなり人気のある店だったが、その理由は「出前」にあった。 店の辺りには風俗店の…

山道(フリー写真)

出会った時間

これは以前働いていた会社の人の体験談です。 会社の仕事が一段落つき、何の話からか怖い体験の暴露大会になった時に聞いたSさんの話です。 ※ Sさんは、遠く離れた所に住む友人の家…

渦人形

渦巻き人形事件ファイル

高校二年の夏休み。 私たち器械体操部は、某県の山奥にある公共合宿所へ四泊五日の強化合宿に向かった。 山道を抜けた先に建つ平屋は、周囲五百メートル以内にホテルとコンビニが一…

学校の校門(フリーイラスト)

校門を閉じる習慣

私の通っていた高校には、17時のサイレンが鳴ると共に、用務員の人が急いで校門を閉める習慣がありました。 まだ下校のチャイムすら鳴っていないのに正門を閉めるのです。 生徒はい…

ハコマワシ

封じられた愛情 ― 赤い糸に縛られた夜

赤いマフラーと届いた呪い 半年ほど前、私は人生で初めて、“本気で気味が悪い”体験をした。 それは幽霊でも怪異でもない。けれど、心の底から震えるような恐怖だった。 中…

野球のバッター(フリー写真)

避けられない未来

都内のある高校に、ちょっとした怪談が流行った事がありました。 「校舎の横に植えてある手前から四番目のポプラの木を、夕暮れ時に見に行くと、 頭蓋骨が転がっている事があり、そ…

マネキン工場

幼い日、何てことなく通り過ぎた出来事。その記憶。 後になって当時の印象とはまた違う別の意味に気付き、ぞっとする。 そんなことがしばしばある。 例えば。 小学生の…

肝試しから戻らない7人

この話は実際に新聞に載った話です。 ある高校生の男女8人が、一人の家に集まって怖い話をしていたそうです。 夜も更けてきた所で、肝試しに行くことになりました。 でも本当…