固芥の日

公開日: 怖い話 | 田舎にまつわる怖い話

田舎

この話は私の友人から聞いたもので、彼女が体験した出来事に基づいています。彼女の故郷には特異な習慣があり、「コッケさん」という名前で親しまれている伝統があります。ただし、その地では「コケシ」という呼び名を使うと大人たちから厳しく叱られるそうです。

彼女が中学生になったばかりの頃、クラスの友達が知ったかぶりで「電動こけし」という単語を連呼していたところ、それを見た生活指導副担当の先生に激しく叱責される事件がありました。彼女の地域には「指副担」という特有の役職が存在しており、その先生は生活指導に特化した、いわば学校の風紀を守る役目を担っていました。

彼女が高校生になってからは地元の青年会にも参加し、そこで初めて「コッケさん」の伝説を詳しく聞かされましたが、内容はあまり具体的ではなく、「地域の神としての尊敬を集める存在であるため、伝統的な行事は守らなければならない」というものでした。

しかし、地域の中学校や高校では様々な噂が流れていました。たとえば、学校の裏にある井戸が本尊であるとか、そこには毎年生贄が捧げられるといったものです。また、町を出る際にはその井戸に自分の髪の一部を捧げるという噂もありました。

彼女が大人になってから、同じ故郷出身の女性が近くに住んでおり、その女性の叔父さんがかつて「指副担」を務めていたとのことでした。この話題が出た時、彼女は叔父さんに更に詳しくその背景を尋ねることにしました。

その結果、彼女が教えてもらったのは「固芥」という言葉の意味でした。固芥は、地域に古くから伝わる重要な神で、その名は文字通り「固まった芥(ゴミ)」を意味し、地域を守る神として崇拝されていたことがわかりました。

この固芥に関連する行事として、毎年1月28日に特別な儀式が行われていたことも判明しました。これは地域の厄を祓うため、また過去に起きた悲劇的な出来事を鎮めるためのものでした。

彼女はこの情報を基に、地域の文化や伝統をさらに深く理解することにしました。地域の教育や伝統が現代にどのような影響を与えているのかを、より深く知るためにも、彼女はこれからもその探求を続けるつもりです。

関連記事

背無し

会社からの帰路の途中、ある大学の前を通る。 そこは見晴らしの良いただの直線だが、何故か事故が多いことで有名だった。 その道をあまり使わない人には分からないだろうが、毎日車で…

田舎の風景(フリー素材)

垣根さん

中学生の頃の話。 当時は夏休みになると父方の祖父母の家に泊まりに行くのが恒例になっていた。 と言っても自分の家から祖父母の家までは自転車で20分もかからないような距離。 …

田舎道(フリー写真)

ぼうなき様

ぼうなき様って知ってる? 想像以上にマイナーな行事だったので、地元から出て話題にした時は誰も知らなかった。 有名なS神社で行われる七五三の続きのような行事で、十歳前後の女の…

夕日(フリー写真)

歳を取らない巫女様

昔住んでいた村に、十代の巫女さんが居た。 若者の何人かはその人のお世話をしなければならず、俺もその一人だった。 その巫女さんは死者の魂が見えたり、来世が見えたりするらしかっ…

白いソアラ

群馬県の国道沿いにある中古車販売店に、白いソアラが数万円という破格の安値で展示されていた。 有名な高級車の一つであるソアラがこの価格で手に入るとなれば、当然誰かが買っていきその車…

山

山の隠された顔

山は恐ろしい場所だ。恐怖の源は多岐にわたる。幽霊の噂、野生動物の脅威、予測不能な天候…だが、最も恐ろしいのは人間そのものである。 山へ行くと多くの人が開放感を感じるだろう。爽快…

櫛で髪をとかす女性(フリー写真)

櫛のなくなる部屋

私が以前住んでいた部屋の話。 私は就職を機に、会社近くのアパートに引っ越した。 立地は良いけどかなり古いアパートで、家賃が安かったのが決めた理由だ。 出社一日目、早…

校庭(フリー写真)

あやこさんの木

私が通っていた小学校に、あやこさんの木というのがあった。 何という種類かは分からないが、幹が太く立派な木だ。 何故、あやこさんの木と言うのかは判らない。 みんなそう呼…

扉(フリー写真)

会社の開かずの間

うちの会社には、開かずの間がある。 嘘みたいな本当の話で、確かにある。 会社は3階建て。その3階の端に資材倉庫があり、その倉庫の奥に扉が設置されている。 新人の頃、資…

山里(フリー写真)

やっかい箪笥

小学校低学年の頃に体験した話。 子供の頃の記憶がはっきりしている自分にしてはおぼろげな記憶なので、一部夢と混ざっているのではないかと思いつつ、なるべく鮮明に憶えているところを。 …