話しかけてきた人影

公開日: 世界の謎 | 本当にあった怖い話

39187fef

私の祖母は、亡くなるまでに何度もこの話をしていた。それは、私の父がまだ赤ん坊だったときのこと。

ロンドンが空襲に遭い、住む家を破壊されてしまった祖母は、友人の家に身を寄せることになり、その家の一番上の階の部屋が彼女にあてがわれた。

祖母が赤ん坊だった父親を連れて、その部屋に向かっているとき、階段に人影が見えることに気が付いた。

するとその影が、「今夜、上の部屋で寝ない方がいいよ」と話しかけてきたというのだ。

祖母は忠告に従い、友人に上の部屋では寝ないことを告げ、下の階でその夜を過ごした。

するとその夜、空襲が起こり、祖母たちが寝る予定だった上の階が焼けてしまったのだった。

もしも、その人影の忠告がなかったら、私もこの世にいなかったことだろう……。

関連記事

餓鬼魂

もう30年程前になるか、自分が小学生の頃の話。 当時の千葉県は鉄道や主要街道から少し奥に入ると、普通に林が広がっていた。 市内にはそう広くない林が点在し、しかも民家から距離…

病院の老婆

一年程前の話です。当時、私はとある病院で働いていました。 と言っても看護師ではなく、社会福祉士の資格を持っているので、リハビリ科の方でアセスメントやケアプランを作ったり、サービス…

生き霊

母の会社の同僚の話。仮に村上さんとします。 村上さんはいつからか、肩こりのようなものに悩まされていた。それまでは、そういった事に悩むような事は全く無かったそうです。 若い時…

ホテル

生け贄

この間、親父が物置の整理をしていて、夕方居間にガラクタの山を積み上げて昔を懐かしんでいた。 ガラクタの中には古着やレコードや陶人形などがあった。 ふと一枚の写真が目についた…

ゼンゾウ

伯父が都内の西側にちょっと広い土地と工場の跡地を持っていたんだ。 不況で損害を被った伯父は、これを売りたがっていたんだよ。 と言っても伯父も金が無くてね。更地には出来なかっ…

民家

さしあげますから

もう10年以上前の大学時代の事。 当時、実家の近所にある小さな運送会社で、荷分けやトラック助手のバイトをしていた。 現場を仕切っていたのは、社長の息子で2つ年上の若旦那。 …

をのこ草子

「をのこ草子」という文書を知っていますか? 江戸時代に書かれた読み物で、現代でいえば小説みたいなものなのですが、作者が不明で、成立年代もはっきりしません。 書いてある内容が驚くほど現代…

ホテルの一室(フリー写真)

ホテルの開かずの間

これは私の父が体験した話です。 父は仕事で少し遠い所まで出張し、経費削減のため同僚と一緒に安いホテルに泊まりました。 父には霊感があるのですが、当初はそのホテルから何も感じ…

ウェンディゴ憑き

ウェンディゴは、カナダ南部からアメリカ北端のインディアンたちに伝わる精霊の呼び名。地方によって多くの呼び名がある。 若しくは、北アメリカのオジブワ族やアルゴンキン語族系インディア…

花(フリー素材)

無念のアザ

妹が小学生の頃、家族ぐるみで仲良くしていた母子家庭のAさん親子がいました。 うちも母子家庭だったので、すぐ仲良くなったみたいです。 私は当時高校生だったので、学校やバイトで…