ケンムン

公開日: 未確認生物 | 都市伝説

f0202551_1884026

奄美大島には、昔からカッパに似たけむくじゃらの妖怪・ケンムンがいると言い伝えられております。

子供のような小さな背丈で、体は毛むくじゃら、山羊の臭いをもち、頭には皿がありよく山や海で人を化かすと伝えられています。

10年前、家族で珍しく怪談話で盛り上がっていると、ふと思い出したように次兄が興奮した口調で話しはじめました。

「この前、夕方ごろ友達に借りた双眼鏡で裏山をみてたんだ。それでなんとなく遠くの山を見てたら、木のてっぺんの枝に、真っ黒な人が座ってるのが見えた!あれ、絶対幽霊だぞ!なんか、体育座りしてたけど、膝が頭より高くて……」

そこで私と母が同時にいいました。

「それ、霊じゃなくてケンムン!」

・ケンムンは山の木の上で休むことが多い
・ケンムンはよく体育座りをしている(だから昔は膝を抱えた座り方をケンムン座りといって嫌っていた)
・ケンムンは異様に足が長く、体育座りをしている時に膝が頭より高い

それを次兄に伝えると、

「あれがケンムンなんだ、本当にいたんだ…」と青い顔をしていました。

肉眼ではまず滅多に目撃されないケンムンですが、まさか双眼鏡で目撃できたとは、兄ちゃん、おそるべし!(笑)

すると、うちの母が、長年木こりをしていた祖父から生前教えられたという話をしてくれました。

もしも山で迷ったりして、どうしても一晩を暗い山の中で過ごさなければならなくなったら、木の枝か何かで自分の周りの地面に、自分を囲むようにして少し広めの円を書きなさい。

そして山の神様に声に出してお祈りしなさい。

「山の神様。私はかくかくしかじかな事情から、一晩こちらの山に泊まらせていただくことになりました。どうか今夜一晩、私が何事もなくいられますよう、私にこの土地を一晩だけお貸しください。この土地の中にいる間、私を一切の災いからお守りください」

そうしたら、一晩ケンムンや獣たちが円の周りをぐるぐる回るが、決して円の中には入ってこれない。

それが山の神様との約束だからだ。

だから、山に登る時と下る時は、山の神様への挨拶とお礼を忘れてはいけない。山の神様は、よく見てるからね。

ケンムンでも、山の神様には逆らえないということなのでしょうか。

関連記事

人形(フリー素材)

メリーさんの電話

とある家族が引越しをすることになったのだが、その際に女の子が「メリー」と呼び大事にしていた人形を誤って捨ててしまった。 とても悲しんだ女の子を哀れに思った両親は 「新しい人…

月(フリー素材)

死神さん

子供の頃、友人がそのまた友人から聞いた話。 ある姉妹が、とある実験をしてみようということになった。 その実験というのが、夜中の午前2時に、寝ている人を真ん中にして二人左右に…

オカムロさん

うちは母方の血筋が強い親戚は兄を含めて霊感が強いんだが、自分は父方の血が強いのかあまりない。 それで霊感が無いもんだから、怖い話特集とかの雑誌を、枕元に置いて寝る前に読むとか平気…

国会議事堂前駅核シェルター説

都営地下鉄大江戸線の六本木駅が開業するまでは、海底駅を除いて日本一深い所にある駅であった。 その事と国会議事堂のすぐ近くであること、存在意義の分からない地下通路もあったことなどか…

謎の生物

5年くらい前、カンザスで釣りをしていたときのことだ。 あたりが暗くなってきて、もう帰ろうかと思った時、川の向こう岸にある生き物がいることに気が付いたんだ。 背の高さは 1.…

サザエさんの都市伝説 – 2 –

サザエさんは言わずと知れた国民的アニメの代表格だ。 視聴率も高く、サザエさんシンドロームなどは国民病と言っても差し支えないのではなかろうか。 そんな人気番組だけに、都市伝説…

まりも

今の部屋に引っ越してきてすぐのこと。 夜ふと目を覚ますと、目の前に黒くて丸いものが2つ浮かんでぼうっと光っている。オカルト体験がほとんどない俺は動揺し、布団を被ってガタガタ震えた…

洋書

寿命を数える本

書物にまつわる都市伝説は数多く存在しますが、今回紹介するのは特に不気味なエピソードです。 私たちは多くの書籍を購入し、本棚に収めますが、時には購入した覚えのない本が混ざっている…

オレゴンの渦

アメリカ合衆国、オレゴン州グランツ・パスから50キロメートル程の地点に、磁場が狂った場所・オレゴンの渦(オレゴン・ヴォーテックス)と呼ばれる不思議な場所がある。 まだアメリカが開…

GO!GO!ACKMANの都市伝説

「GO!GO!ACKMAN」はバンプレストが販売したゲームである。 この会社は当時経営難であったため、安く生産してくれる海外の業者に生産を依頼したところ、制作費を浮かすため、部品…