ため池の底に沈んだ団地
山あいの古い団地は、埋め立てられたため池の底に建っていた。深夜二時、誰も乗せず最上階へ昇る無人のエレベーター。雨上がりの晩、住人が一人また一人と姿を消す——設備…
山あいの古い団地は、埋め立てられたため池の底に建っていた。深夜二時、誰も乗せず最上階へ昇る無人のエレベーター。雨上がりの晩、住人が一人また一人と姿を消す——設備…
深夜に外の音が気になって非常階段に出たら、下に降りても降りても出口が見つからなかった。そこに現れた作業服の男が「ここは少し余分に続いてる」と言った。…
毎年六月の平日の午後にだけ、部屋の固定電話が鳴っていました。受話器から聞こえるのは「ママ?」という一言だけです。四年目に私が返してしまったたった一つの質問が、い…
解体を待つ無人の棟に、毎晩ひとつだけ灯りが点いていました。しかもその灯りは、取り壊しの進み具合に合わせて、一週間ごとに正確に一階ずつ下へ降りてくるのです。更地に…