ソックリさん

doppelganger

近所のツタヤに行って今日レンタル開始のDVDが借りられるか聞いてきたら、「今日の朝10時からですよ」って言われてがっかりして帰ろうとしたのね。

そしたら自動ドアで入って来た人とぶつかっちゃったんだけど、ぶつかった人が私とソックリだった。

顔は一卵性とまではいかないけど、二卵性双生児とか姉妹と言えば通るくらい似ていて、髪はこげ茶くらいで後ろで縛ってて背中まであるくらいの長さ。

7年くらい前に発売したヒステリックグラマーというブランドのジャケット。

斜めがけにしたシャネルのスポーツラインのバッグ。

フジロックのTシャツ。2年前くらいのヴィトンのハートのヒモペンダント。

下のジーパンと靴はちゃんと見てないから分からないけど、ジャケット・バック・Tシャツ・ペンダントが色も形もプリントもまったく一緒。

自動ドアでぶつかったのも、自動ドアに自分が映ってると思い込んでて、そのままの勢いでぶつかっちゃったんだ。相手もそう言ってた。

ぶつかった後謝ってちょっと会話して、明らかに相手の女性も『うわ、なにこの人ソックリじゃん』って思ってそうな感じで、なんか怖いような気持ち悪いような変な気持ちになってた。

私はなんとなく離れがたくなり、店を出るのをやめ入り口近くのレンタル在庫検索パネルの所で探すふりしつつ様子を伺ってたら、ソックリさんが店員さんに私と同じ質問をしていた。

これにまた驚き、なぜか心臓がバクバクした。

その時にソックリさんの後ろ姿を見たら、髪の毛縛ってるシュシュが全く一緒だったんだ…。

このシュシュ、モバオクで手作りしてる人が出品してたやつで、そう世の中に何個もないようなはずのやつなのね。

それ見たら何かゾッとしちゃって走って帰宅したんだけど、落ち着かなくて誰かに聞いて欲しくなりここに書きました。

興奮しててごめんよ。

関連記事

髪寄りの法

祖父が子供の頃に体験した話。 祖父は子供の頃、T県の山深い村落で暮らしていた。村の住人の殆どが林業を営んでおり、山は彼らの親と同じであった。 そんな村にも地主が存在しており…

廊下

迷宮と煙草

私は都内で雑誌関係のライターを担当しています。 多岐にわたるテーマの記事を手がけるため、日常は刺激に満ちていると言えるでしょう。 その中で、オカルト関連の記事は、読者から…

炎(フリー素材)

鳴く人形

俺の実家は小さな寺をやっている。 子供の頃から、親父が憑き物祓いや人形供養をしているのを何度も見て来た。 その中でも一番怖かったのが赤ちゃんの人形。ミルクなどを飲ませるよう…

ビー玉(フリー写真)

A子ちゃんの夢

ちょっと辻褄の合わない不思議な経験で、自分でも偶然なのか思い込みなのか、本当にそうだったのか自信がないのですが。 子供の頃、大人になっても憶えているような印象的な夢を見た事があり…

夜の校舎

あんたがたどこさ

深夜23時。僕と友人のKは、今はもう使われていない、とある山奥の小学校にいた。 校庭のグラウンドには雑草が生え、赤錆びた鉄棒やジャングルジム、シーソーがある。 現在は危険と…

思い出のテトリス

祖母が亡くなった時の話。 祖父母4人の中で一番若い人で一番大好きな人だったから、ショックで数日経ってもまだ思い出しては泣いてた。 ある日の夕方、自室のベッドで横になってやっ…

農村(フリー写真)

神隠しの森と村の伝承

ある山村に、不思議な伝承があった。 その伝承によれば、村の奥地にある古い神社には、神隠しの力があると言われていた。 神隠しとは、神や妖怪が人間を自分の世界に連れ去ってしま…

時間

時を超えた電話

高校の時に母から、 「昨日、お前から電話がかかってきた。○○(住んでいるところ)にもうすぐ到着するという電話だった。声は確かにお前だった」 と言われた事があった。 そ…

タクシー(フリー写真)

契約書の拇印

俺の親父の話を書きます。 親父はタクシーの運転手をしています。 夜中2時を過ぎた頃だったそうです。40代くらいの一人の男性が病院から乗って来ました。 行き先は違う近…

逆光を浴びた女性(フリー素材)

真っ白な女性

幼稚園ぐらいの頃、両親が出掛けて家に一人になった日があった。 昼寝をしていた俺は親が出掛けていたのを知らず、起きた時に誰も居ないものだから、怖くて泣きながら母を呼んでいた。 …