顔半分の笑顔

img_1

僕がまだ子供だったとき、ある晩早くに眠りに就いたことがあった。

リビングルームにいる家族の声を聞きながら、僕はベッドの中から廊下の灯りをボンヤリ見つめていたんだ。

すると突然、半透明の年老いた女の人が目の前に現れたんだ。

黄色く長いカールした髪の毛で、紫色の花のドレスを着ていた。

そして、なにより怖かったのが、顔を半分覆ってしまうほどの笑顔で、こっちをジッと見てきたことだったよ。

恐怖に駆られた僕は、なんとか叫ぼうとしたけれど声がでなくて、急いで布団をかぶって震えていた。

しばらくしたら、泣き寝入りしてしまったようだけど。

翌日、そのことを姉に話してみたら、それは守護霊だという答えが返ってきたけど、「そんなバカな」って思ったよ。

だって守護霊なら、あんな怖い笑顔を浮かべるはずがないからさ。

クラスメートに話してみたら、同じような不気味な笑顔を浮かべた人物を見かけた子が他にもいたんだ。

その子は、あの顔半分の笑顔を浮かべた10代の若い男を自宅の庭で見かけたらしい。

彼も怖くなって、すぐに家に駆け込んだってさ。

関連記事

温泉街(フリー写真)

歪んだ旅館

怖いと言うよりちょっと不思議な話です。会社のK子さんという同僚から聞いたお話で、彼女の実体験です。K子さんは先月の末、妹さんと二人で箱根の温泉旅館に行ったそうです。 …

小さな猫のぬいぐるみ

先日、成人式後の同窓会で聞いた話。T君はお父さんを小学生の頃に事故で亡くし、それからずっと母子家庭。T君自身はそんな環境どこ吹く風と言った感じで、学級委員をやったりサッ…

相乗り

僕が小学の低学年の時に、親におつかいを頼まれました。おつかいを済ませて、オートロック式の自宅マンションの暗証番号を押し扉を開けて、エレベーターホールに向かい、エレベーターが降り…

地底世界

小学校2年生の頃の話。山に囲まれた田舎に住んでいたんだけど、学校の帰り道で知らないおじさんとおばさんが俺に話しかけてきた。知らない人には付いて行ってはいけないと言われて…

山道

お遍路さんの道標

俺は九州出身なのだが、大学は四国へ進学した。以下はゼミの先輩から聞いた話だ。四国と言えば八十八ヶ所霊場巡りが有名だが、昔は大変だったお遍路も今では道が整備され、道標も各所にあり…

つんぼゆすり(長編)

子供の頃、伯父がよく話してくれたことです。僕の家は昔から東京にあったのですが、戦時中、本土空爆が始まる頃に、祖母と当時小学生の伯父の二人で、田舎の親類を頼って疎開したそうです。…

島

無人島の怪異

死んだ祖父さんが法事で酔っ払った時に聞いた話。祖父さんは若い頃、鹿児島で漁師をしていた。ベテラン漁師の船に乗せてもらいながら働いていて、毎日のように漁に出ていた。 …

入れ替わった友人

怖くないけど、不思議な小ネタ。若しくは俺が病気なだけ。俺は今仕事の都合で台湾に住んでる。宿代もかからず日本からも近いから、たまに友達が台湾に遊びに来る。そういう時の話。…

霧島駅

実際にその駅には降りていないし、一瞬の出来事だったから気の迷いかもしれないけど書いてみようと思う。体験したのは一昨日の夜で、田舎の方に向かう列車の中だった。田舎と言って…

爪を食べる女

最近あった喫茶店での話。普通に時間を潰していたところ、隣のテーブルでなにやら物音。カリカリカリという音。最初は特に気にもならなかったので本を読んでいたのですが、30分ほ…