犬の気持ち

犬(フリー素材)

俺が生まれる前に親父が体験した話。

親父がまだ若かった頃、家では犬を飼っていた。

散歩は親父の仕事で、毎日決まった時間に決まったルートを通っていたそうだ。

犬は決まって親父の左側を歩き、決して右側を歩く事はしなかったそうだ。

これは親父が躾けた訳じゃなく、いつの間にかそうなっていたらしい。

犬の左側に回り込んで犬が右側に来るようにしてみたらしいが、何故か左側に戻って来る。

それが可愛くて、犬はそれ以降ずっと親父の左側を歩いていた。

ところがある日、犬が右側に来た。

驚いたし違和感もあったので、何度か左側に来るようにしてみたが、やはり右側へ。

不思議に思ったけど散歩に出掛け、最初の路地を右へ曲がろうとした時、右から来た車に犬が撥ねられ即死。

親父は咄嗟に、俺の身代りになるために右側に来たのだと思ったそうだ。

口から血を流して死んでいる犬を、世間の目も憚らず、抱きかかえながら号泣したそうだ。

子供の頃に聞いた話だが、聞いた時は大泣きした覚えがある。

それ以降、我が家に犬が居なかった事は一度も無い。

何か守られていると言うか、優しくなれると言うか…。動物は不思議だよな。

鳥居(フリー素材)

お狐様

これは私が、いや正確には母が半年前から9月の終わり頃までに経験した話です。 今年の7月某日、諸々の事情で私は結婚を前に実家へ一度帰省するため、アパートから引越しすることになりまし…

黄泉の国の体験

同窓会の案内が来て、中学生だった当時を懐かしんでいたら思い出したことがある。 この間の夜、ふと目が覚めると目の前に血を流した女の人がいた。 寝ぼけていたし起こされてムカつい…

刀(フリー素材)

霊刀の妖精(宮大工15)

俺と沙織の結婚式の時。 早くに父を亡くした俺と母を助け、とても力になってくれた叔父貴と久し振りに会う事ができた。 叔父貴は既に八十を超える高齢だが、山仕事と拳法で鍛えている…

砂時計(フリー写真)

巻き戻る時間

10年程前、まだ小学生だった私は、家で一人留守番をしていました。 母親に注意もされず、のびのびとゲームを遊ぶことが出来てご満悦でした。 暫く楽しく遊んでいると、電話が掛かっ…

犬(フリー写真)

お爺さんとの絆

向かいの家の犬が息を引き取った。 ちょうど飼い主だったお爺さんの一周忌の日だった。 お爺さんは犬の散歩の途中、曲がり角で倒れ込み、そのまま帰らぬ人となった。脳出血だったら…

青蛙(フリー写真)

井守と青蛙

もう大分前のことになりますが、私は当時、金属加工の小さな工場を経営していて、折からの不況もありその経営に行き詰まっていました。 そしてお恥ずかしい話ですが、自殺を考えたのです。…

夕日(フリー写真)

歳を取らない巫女様

昔住んでいた村に、十代の巫女さんが居た。 若者の何人かはその人のお世話をしなければならず、俺もその一人だった。 その巫女さんは死者の魂が見えたり、来世が見えたりするらしかっ…

田舎の風景(フリー写真)

氷を買いに来る若者

これはうちのじいちゃん(既に逝去)に聞いた話。 じいちゃんは、鉄工所を経営する腕利きの職人だった。 じいちゃんが若い頃(戦後間もなくだと思う)、仕事の得意先に製氷所があった…

フラクタル模様(フリー素材)

予知夢

俺にはデジャヴのような体験がよくある。デジャヴではなく予知夢なんだけどね。 でも中途半端な能力で使えない。いつ起こる出来事か判らないし、過去の夢の時もある。ただの夢とも混ざってし…

夕日(フリー写真)

ドウドウ

小学校低学年の頃、友人Kと何回か『ドウドウ』という遊びをした。 どのような遊びかと言うと、夕方17時~18時くらい、家に帰るくらいの時間になると、俺かKのどちらかが 「ドー…