光る玉

庭に咲く花(フリー写真)

私の母は私を産む前に二度流産しており、三度目(私)の時も、何度か駄目になりかけていたそうです。

妊娠4ヶ月頃の時も、やはり体調を崩して流産しかけたらしいのですが、その時、庭で二人の女の子が遊んでいる声を聞いたそうです。

その当時の我が家の立地条件から、近所の子が庭で遊ぶなどという事は考えられないため、看病しに来ていた叔母に見に行ってもらったそうです。

そしたらその女の子達が、

「妹が心配なの」

そう言っていたそうです。

叔母が母にこの話をした時、もしやと思ったそうです。

産めないまま水子にしてしまった子達ではないか、と。

その晩、母はこんな夢を見たそうです。

目元がよく似た二人の女の子が、光る玉らしきものを抱えていて、

「自分達は生まれてもすぐ死んじゃう運命だったから、次の子に全部任せる事にした。

でも、今のままじゃまた生まれてもすぐ死んじゃうから、これを渡したかった」

と言ったそうです。

そして、ぼうっと立ち尽くす母に向かって、その玉を渡したそうです。

その数ヶ月後に、母は未熟児でしたが無事女児を産みました。これが私です。

乳幼児の頃はかなり病弱だったそうなのですが、2歳の時に病院でずっと

「お姉ちゃんがいる」

と言っていたそうです(記憶はありません)。

現在19歳ですが、何事も無く健康優良児で生きています。

きっと姉二人が守っていてくれるんだなあと、しみじみ思いました。

この投稿への返信

凄く良い話だね。お姉さん達に感謝だよ。

もしかしたら将来、あなたの娘として生まれてくるかもしれないね。

ところで、

「お姉ちゃんがいる」

というのは一体どのような状況?

記憶が無いと言っているけれど、見えていたとか気配がしていたとか、そういう事?

母は時々「ああ、近くにいる」と言って手を合わせます(私に向かって)。

この話を聞いた時、自分も泣いた憶えがあります。

小学5年生の時ですが、どうやら見えていたらしいです。

本当に憶えていないんですけどね(苦笑)。

関連記事

神に愛されるということ

私は占い師に「長生きできんね」と言われたことある。理由も聞いた。 「あんた、大陸に行ったことあるだろう? そこで憑かれたんだと思うけど、悪霊なんてもんじゃない。神に近いから、まず…

山間の田んぼ(フリー写真)

小さな祠と石

うちの兄は10年ほど前に亡くなりました。 亡くなる前々日、いつもは帰ってすぐ部屋に入ってしまう兄が、珍しく私にPCの使い方を教えてくれました。 その事を思い出すと、今でも涙…

家(フリー写真)

下に誰か来ている

うちの家は親父が製麺業を経営していて、親父は仕事上、朝の4時になると家を出て行く。 両親の部屋は1階、俺の部屋は2階にあった。 俺が中学生だった時のある日のこと。 …

眼鏡

眼鏡の思い出

祖父が生前、私たち家族には常に厳しい人でありながら、時折見せる優しさとともに存在感を放っていました。 彼が亡くなった後、家族として彼を失った悲しみが心の隅に深く残っていました。…

北海道の海(フリー素材)

イセポ・テレケ

十年以上も昔の話。会社の先輩と中学以来の友人と俺の三人で、盆休みに有給を足して十一日間の北海道旅行へ出掛けた。 車一台にバイク一台の、むさ苦しい野郎だけの貧乏旅行だったが、それは…

人形(フリー写真)

アンティークドールの夢

中学校に入学した時、入学祝いで祖母からアンティークドールを貰った。 古いドールだったけど、しっかり手入れされていて、汚いという印象は受けなかった。 それどころか、銀色の髪…

皺のある手(フリー写真)

青いみかん

小学2年生まで自分は感情の起伏の無い子供だったらしく、両親がとても心配し、よく児童相談所や精神科のような所へ連れて行っていた。 その時も面倒臭いとも楽しいとも思った事は一切無く、…

田園風景

くねくね – 秋田の怪談

これは私が幼少の頃、秋田県にある祖母の実家に帰省した際の出来事である。 年に一度のお盆の時期にしか訪れない祖母の家に到着した私は、興奮を抑えきれず、すぐさま兄と一緒に外へ駆け出…

無人駅

消えた駅『すたか』

この話は、京都駅からJR線に乗って長岡京に向かっていた主人公が、うっかり寝過ごし、見知らぬ無人駅「すたか」で降りることになった出来事です。 主人公は、薄暗く寂れた無人駅で待って…

雪に覆われた山(フリー写真)

雪を踏む足音

初雪の山は登ってはいけない。 そういう話を仲間内でよく聞いていたが、単に滑りやすくなるからだろうと軽く捉えていた知り合いは、命の危険に晒された。 彼は登山歴3年くらいの経験…