白いマフラー

公開日: 心霊ちょっと良い話

戦闘機(フリー写真)

俺のじいちゃんは昔、パイロットだった。

若い頃のじいちゃんの写真は、白のマフラーを巻いて格好つけていて、でも本当に格好良かった。

俺もじいちゃんみたいな戦闘機乗りになりたかったけど、適性がなく結局は整備員になってしまった。

それで腐っていた俺にじいちゃんは、

「整備員はパイロットの命を預かってるんだからな、しっかりやれよ」

と励ましてくれた。

そんなじいちゃんも亡くなり、俺が初めて整備担当の飛行機を持った時、俺が整備した飛行機が空中で故障した。

パイロットから「コントロールが効かない」との連絡が入り、緊急着陸することになった。

でも着陸は一番難しい操作なので、大丈夫かと心配していたが、案外すんなりと着陸した。

飛行機を収容して不良箇所を探したが、異常な所はなく首を捻っていると、パイロットが来て言った。

「操縦が効かないって言った後に、俺の隣に人が居たんだ。

お前によく似て、パイロットみたいな格好してて、白のマフラー巻いてた。

その人が『大丈夫、ワシの孫の整備した飛行機じゃ。必ず無事に降りる』って言うんだよ」

それを聞いて、俺は持ち歩いているじいちゃんの写真を見せたら、

「ああ、この人。お前、いいお祖父さん持ったな」

と言ってくれた。

それ以降、

「あいつの整備した飛行機は落ちない」

と評判になり、パイロットからの信頼も得ることが出来た。

お陰で今も整備士やっています。

関連記事

版画(フリー素材)

婆ちゃんの戦時中の話

昔、婆ちゃんから聞いた戦時中の話を一つ。第二次世界大戦中、うちの婆ちゃん(サノ)が10歳の頃の話です。 ※ 婆ちゃんはお姉さんと避難のために親元を離れ、田舎の遠い親戚の家に…

雷(フリー写真)

記憶の中の子供達

私は子供の頃、雷に打たれた事があります。左腕と両足に火傷を負いましたが、幸いにも大火傷ではありませんでした。現在は左腕と左足の指先に、微かに火傷の跡が残っているまでに回…

赤ちゃんの手(フリー写真)

亡くなったはずの両親

私が12歳の時、両親が他界した。私には三つ年下の弟が居たのだが、それぞれ別々の親戚に引き取られた。一ヶ月も経たないうちに親戚の私に対する態度は冷たくなり、私は高校進学を…

昔の電話機(フリー画像)

申し申し

家は昔、質屋だった。と言ってもじいちゃんが17歳の頃までだから私は話でしか知らないのだけど、結構面白い話を聞けた。田舎なのもあるけど、じいちゃんが小学生の頃は幽霊はもちろん神様…

公園のブランコ(フリー写真)

友人を見守る人

これは俺が小学二年生の時の話です。怖くはないのですが、良ければ読んで下さい。その日、自転車でブラブラしていた俺は、小さな公園があるのを発見した。ブランコと滑り台、それと…

愛猫の最後の挨拶

うちの両親が体験した話。もう20年も前の夏のことです。私達兄弟が夏休みを利用して祖父母の家に泊まりに行っていた夜、当時とても可愛がっていた猫がいつまで経っても帰ってこな…

合格祈願の絵馬(フリー写真)

母の四十九日まで

私が中学生の時の話です。受験の真っ只中の時期に、母がくも膜下出血で入院。そのまま亡くなってしまいました。その日の夜、「最後に家族みんなで一緒に寝よう」と…

雨(フリー写真)

涙雨

親父の葬式の時の話。告別式の最中、心の中で親父に語りかけていた。『親父、まだ上には行ってないだろ。側に居るなら蝋燭を揺らしてみてくれ』すると壇上の蝋燭が激しく…

白い影

当時、私は精神的に荒んでいて、よく大型バイクをかっ飛ばしたりしていました。その日もバイクで走っていたのですが、広めの幹線道路は渋滞していました。そこで、道の左端をすり抜…

薔薇の咲く庭(フリー写真)

母が伝えたかったこと

母が二月に亡くなったんだよね。でもなかなか俺の夢には出て来てくれないんだ。こんなに逢いたいのに…。 ※ 母が病気になってさ、本当は近くに居てやらないといけないのに、自分で希…