おばあちゃんの料理

台所(フリー写真)

十年以上寝たきりで、最後の方は痴呆になってしまっていたおばあちゃん。

帰省してお見舞いに行った時、私の名前も分からなくなった祖母の傍にいるのが辛くて、

「もういいよ」

と言って病室を出てしまった。

しかし、次の日に母から

「おばあちゃんがアンタに会いたがっている!」

という電話を受け、その週末に帰るつもりでいた。

そんな週の半ば、昼寝をしていると台所で何やら音がした。

誰かが歩いて床が軋む音、食器同士が擦れるカチャカチャという音。

あまりにも長く続くものだから気のせいではない。

『泥棒だ!』と思い、台所の戸を開けた。

しかし、そこには誰も居なかった。

寝ぼけていたのかと思い、もう一度布団に戻った。

暫くして電話が鳴った。

「おばあちゃんが死んじゃったよ」

と…。

容態が急変したらしい。

おばあちゃんの作る料理が大好きだった私。

最期に何か作りに来てくれたのかな。

夢でもいい。また台所に来てくれてもいい。私がそっちに逝った時でもいい。

「あの時は『もういいよ』なんて言ってごめんね。大好きだよ」と伝えたい。

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