殺人ビデオ

公開日: 洒落にならない怖い話

50616

このビデオを私が実際見たことがある訳ではないので、あまり多くは語りません。

ただ、私の友人Yは今から半年程前に見たそうなので、その聞いた話をお伝えします。

私の友人Yは、全国でも恐らく100本の指に入るぐらいのビデオ収集家で、現在の彼のマンションには、所狭しと1万本近いビデオがひしめき合っております。

そして沢山のビデオ収集家の友達を持っており、時折皆んなで集まっては、あらゆるジャンルのビデオ鑑賞会を開いておりました。

ある時、彼の友人が知り合いのビデオショップ経営者が「今面白いビデオがある。もしよければここでそのビデオの鑑賞会を開かないか」と言うのです。それがこのビデオです。

もちろんビデオと言っても、大凡殆どの人が見たこともないようなビデオです。二つ返事で彼の友人はOKしました。

しかし、その鑑賞代金が3万円と言われ、彼は非常に困りそこで私の友人Yの登場です。

2人で1万5千円ずつ支払うことを条件にその鑑賞会は始まりました。

そのビデオはこのようなストーリーだったそうです。

まず女の人が一人6畳程の部屋で椅子に縛り付けられている場面から始まります。

女の人は呆然としていて、意識があるのかないのかは判断できないような状態だったそうです。

女の人は25歳前後で、まず間違いなく日本人だそうです。それでもってとても可愛かったそうです。

そこに男が二人部屋に入って来て、一人が日本語ではないようなことを喋りながら、女を殺す場面へと移ります。

女の人は、男が部屋に入って来てから物凄い勢いで泣き叫ぶのですが、何を言ってるのか全く理解不可能で、友人は恐らく人の名前だろうと推測しておりました。

殺し方については至ってシンプルで、強姦する訳でもなく、ただひたすらに刃物を突き刺すというものだったそうです。

女は裸の状態でしたが、全然官能的ではなかったそうです。

最初は、ランボーが持ってるようなアーミーナイフで指を落とそうとするのですが、女が抵抗してなかなか指が切れず、そこで男が怒ったらしく胸にナイフを突き刺すそうです。

女はなかなか死なないのですが、何度もナイフを突き刺し、次第に叫ぶのをやめ動かなくなり、男だけが奇声を発していたそうです。

血は思ったよりも出ず、ぽたぽたと落ちる程度だったと彼は言っていました。

もう一人の男は、最初ビデオスタンドに付いていた8ミリを手に持ち直し写していたそうですが、彼曰くカメラ技術は二流で、8ミリは最近の機種ではないだろうとも言っていました。

あとビデオを撮っていた場所は、幹線道路沿いなのか何度もクラクションの音や車の通り過ぎる音が聞こえたそうです。

ここまでが彼から聞いた話です。

どこまで本当でどこから嘘なのか私には判断できませんが、とても彼から聞いたことが嘘とは思えません。

そしてただの偶然だとは思いますが、彼の友人はそれから1ヶ月もしないうちに行方不明になってしまい、未だに消息不明です。

関連記事

お待たせ

別れ話を大分こじらせたカップルがいて、彼女が彼氏に「見せたいものがあるから」と言って呼び出されたんだって。 長い付き合いで色々なものをあげたりもらったりしたから、“思い出の品” …

田舎の風景(フリー写真)

滝不動

俺のクラスメイトにSという奴が居る。 そいつがいきなり「お前、霊媒師とか詳しい?」と訊ねてきた。 「何だよ? 急に」と訝しがると、彼は神妙な面向きで話し始めた。 何…

台風の夜

私が友人と4人でキャンプに出かけた時のことです。 ちょうど台風が日本に近づいている時でしたが、日本上陸はしないと天気予報は報じていたので、キャンプを強行したのでした。 しか…

お化け煙突

数年前の事ですが、私の職場にKさんという人が転勤してきました。 Kさんは、私と同じ社員寮に住むことになったのですが、しばらくして、私と雑談している時に 「寮の窓から見える高…

手伝うよ

私が通学する駅は自殺の多い駅だ。 そのせいか、電車の急停止が多い。 急停止が多いあまり、学校や会社に遅れても「電車が」「自殺があって」と言えば遅刻扱いにならず、受験は余った…

白い人影

高校生の時に某飲食チェーンでバイトしてたんだけど、その時の社員さんに聞いた話。 その社員さん(Aさん)は、中学生の時に親戚の叔父さんが経営する倉庫で、夏休みを利用してバイトするこ…

マンション(フリー写真)

縦に並んだ顔

自動車事故に遭い鞭打ち症になったAさんは、仕事も出来なさそうなので会社を一週間ほど休むことにした。 Aさんは結婚しているが、奥さんは働いているため昼間は一人だった。 最初の…

地下の井戸(長編)

これを書いたら、昔の仲間なら俺が誰だか分かると思う。 ばれたら相当やばい。まだ生きてるって知られたら、また探しにかかるだろう。 でも俺が書かなきゃ、あの井戸の存在は闇に葬ら…

自殺志願

年月が経つにつれ自信がなくなっていく思い出です。 俺が19歳の頃の話です。高校は卒業していましたが、これといって定職にもつかず、気が向いたら日雇いのバイトなどをしてブラブラしてい…

神社(フリー素材)

雁姫様の鏡

昔、修学旅行中に先生から聞いた話。 先生が小学4年生まで住んでいた町はど田舎で、子供の遊び場と言ったら遊具のある近所のお宮だったそうだ。 そのお宮には元々祭られている神様と…