早く早く

公開日: 洒落にならない怖い話

アパート

かなり昔、私が小学校2、3年の頃の事です。

当時家族でアパートに住んでいたのですが、隣に新婚さん夫婦が引越して来ました。

彼等は二人とも小学校の教師という事で、とても優しく、人見知りだった私もすぐに懐きました。

ある日、いつものようにその新婚さんの部屋へ遊びに行きました。

よく覚えていませんが、いつの間にか炬燵で寝てしまったようです。

そして「早く早く」と言う声で目が覚め、びっくりしました。

二人がかりで細いロープのような物で私を縛ろうとしていたのです。

驚いて暴れていると、奥さんの方が笑いながら「顔が赤くなってきたわ」と言ったのをはっきり覚えています。

私は滅茶滅茶に暴れて家に逃げ帰りました。

そのまま縛られていたら、私はどうなっていたのでしょうか。

その新婚さん教師達は、一体何をしようとしていたのか今だに気になります。

関連記事

アケミちゃん

夜の電車で出会ったアケミちゃん

大学に入学し、少しずつ友人ができ始めたある日のことだった。 夜の九時過ぎ、仲良くなった友人Aから電話がかかってきた。 「今、うちにBとCも来てるんだ。暇なら来ないか?」 …

ヒサルキの真相

こんな所でヒサユキの名前に会うとは、実際のところ驚いている。 彼女の事について真相を伝えるのは私としても心苦しいが、だがこの様に詮索を続けさせるのは寧ろ彼女にとっても辛いことだろ…

ドライブイン

異界のドライブイン ― 消えた車と巨大な蛆

ドライブのはじまり この話は、いわゆるオカルトや怪談に分類されるかどうか、少し微妙なところがあります。ですが、個人的には今でも忘れられない、非常に恐ろしい体験でした。 そ…

小さな猫のぬいぐるみ

先日、成人式後の同窓会で聞いた話。 T君はお父さんを小学生の頃に事故で亡くし、それからずっと母子家庭。 T君自身はそんな環境どこ吹く風と言った感じで、学級委員をやったりサッ…

夜空の月(フリー写真)

砂利を踏む足音

学生の頃、実家を離れて大学の寮に住んでいた。 田舎の学校で、その敷地から歩いて20分程度の場所にある寮だった。 周りは住宅地で、古くからあるお宅と、ベッドタウン化による新興…

夜道

白い傘を差した人

ある日、友人と遊んだ後、雨が降っているし時間も遅いからということで友人を家に送った帰りの話。 今週の漫画をまだ読んでいないなと思い、コンビニへ行った。店内に客は自分だけ。 …

悪魔の書

中学生の頃、俺は横浜に住んでたんだけど、親父が教会の神父やってたの。 神父にしては結構ざっくばらんな性格で、結構人気もあったんだ。 まあ、俺なんて信心深い方じゃないし、一家…

坊主斬り

飢饉の年の事である。 草木は枯れ果て、飢えのために死ぬものが相次いだ。 食人が横行し、死人の肉の貸し借りさえ行われる有様だった。 ある日、寺の住職が庄屋の家の法事に招…

ハカソヤ

ハカソヤ ― 封じられた祝詞

これは、私の母の故郷に伝わる、ある特異な風習についての話です。 ごく最近になって知ったのですが、母の実家がある集落には、「ハカソヤ」と呼ばれる、女性だけに伝えられる不思議な習慣…

家(フリー写真)

次女の願い

私は神社の家系に生まれ、霊能力者を生業としている者です。 三年前に訪れたお客様の話ですが、今でもどうしても考えてしまい胸が苦しくなるお話があります。 もう時効かと思います…