時が止まった日

交差点

10年前、小学6年生だった頃の出来事。

学校から帰る途中、人々と車が突然止まり、時間が止まったような現象に遭遇。

突然、真っ黒な服を着た若い男女が現れ、声を揃えて「あ。」と言った。

私は恐怖を感じて逃げようとしたが、男に腕をつかまれて動けなくなった。

男と女は何か失敗したことについて話していた。

女は謝り続け、男はどうするかと困惑していた。

最終的に、男は私に何も言わないよう頼んできた。

女は反対したが、男が言い勝った。

男は私に何かを手渡し、「絶対に言うな」と念を押した。

私は約束し、家に帰った。

家に帰ると、時間が元に戻っていた。

居間で笑う母の声を聞いて安心した。

男にもらったものは透明で虹色のマーブル模様の飴だった。

好奇心に負けて食べてみると、今までにない美味しさだった。

その後、同じ飴を探して交差点をうろついたが、二度と会うことはなかった。

今でもその交差点を見ると、この不思議な体験を思い出す。

関連記事

最強の姉

一年前から一人暮らしを始めて以来、不眠症が酷くなった。 数ヶ月前に姉が遊びに来て、「へー…ここ住んでるんだ。そうかそうかなるほどね」と変な言葉を残して帰って行った。 霊とか…

横断歩道

佐藤大樹は誰なのか

前世の記憶があると言っても、それは鮮明なものではない。 生まれた瞬間から過去の記憶を持っていたわけではないし、何か特別な力を持っているわけでもない。 ただ、ふとした瞬間に…

大蛇(浮世絵)

大蛇の恩返し

中学2年生の時の体験です。 正体不明の生き物に目玉を盗られそうになり大蛇に助けられた、という不思議な体験をしました。 私が仏間で昼寝をしていた時、誰かに顔を押さえられまし…

古書店の本棚(フリー写真)

客寄せ仔猫

伯父の高校時代に、伯父が好きだった娘がいた。 高校卒業後は、偶に同窓会で顔を合わせる程度の付き合いだった。 しかし数年経って、その娘が親の勧める縁談を受けて結婚し、夫の仕…

夜の駅前

真夜中の見知らぬ駅

あれは、私が大学生の頃の不思議な体験です。 その日、私は大学の友人たちと飲み会に行き、終電ギリギリまで楽しく過ごしていました。 仲間たちは徒歩や自転車通学ばかりで、電車通…

団地(フリー写真)

ずれた世界

母がまだ幼い頃、ある団地に住んでいた時の話。 一番上の姉(伯母)と母が外で遊ぼうと階段を降りて行くと、一階の団地の入口に見知らぬおばさんが居た。 その団地には、郵便受けが…

妖怪カラコロ

専門学生の頃に深夜専門でコンビニのアルバイトをしていた時の話。 ある日の午前1時頃に駐車場の掃除をしていると、道路を挟んだ向こう側の方から何か乾いた物を引き摺るような、 「…

農村(フリー写真)

神隠しの森と村の伝承

ある山村に、不思議な伝承があった。 その伝承によれば、村の奥地にある古い神社には、神隠しの力があると言われていた。 神隠しとは、神や妖怪が人間を自分の世界に連れ去ってしま…

失われた時間

2001年の秋。 風邪ひいて寒気がするので、大久保にある病院に行くため西武新宿線のつり革につかまってた。頭がぐわんぐわんと痛みだして、ギュッと目を閉じて眉間にしわ寄せて耐えてた。…

思い出

小学生になったばかりの頃の話。 学校の近くに沼を埋め立てて造った更地があって、放課後になると鉄条網の隙間から友達と潜り込んで遊んでた。 あの日。埋められた地面の一部が、底が…