時空を彷徨う路線

地下鉄

数年前の出来事です。ある日、私は東京の地下鉄に乗りました。どの路線かは明かしませんが、通常は2~3分ごとに駅で停車するものです。

しかし、ある駅を過ぎた後、電車は異様に長く走り続けました。ようやく止まった駅には看板がなく、薄暗い雰囲気が漂っていました。そこで他の乗客は全員降りてしまい、私は一人残りました。

その時、MDプレーヤーを聴いていたのですが、音楽が突然止まり、「降りなくていいんですか?」という声が聞こえました。霊感がある私は驚きながらも無視し、電車が再び走り出しました。

周りには誰もいない状態で、携帯電話の時計も止まっていることに気づきました。不安とイライラで満ちながら、誰かを探すために電車の端まで走りましたが、車掌室も運転席も誰もいませんでした。

結局、再び停車した駅で、さっき降りたはずの乗客たちが再び乗り込んできました。次の駅に着いたとき、私は最初に通過した駅に戻っていることに気づきました。そこから先は通常通りで、目的地に到着しましたが、予定よりも5分早く着いていたのです。

今考えると、あの時、私は時間や空間を彷徨っていたのかもしれません。その後、気味が悪くなり、今後本棚から写真が落ちるなどの奇妙な現象に遭遇することがあり、話すことに躊躇しています。

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