
多くの人には信じられないかもしれないが、この話は異次元との接触を描いた創作物として楽しんでもらえれば幸いだ。
私の体験は、ある日、インターネットで見つけた「チャネリング」という言葉から始まった。その方法は、口寄せの術に似ているとも言えるだろう。
最初は単なる好奇心から始めたこの行為が、次第に私の日常を変えていくことになるとは、当時の私には想像もつかなかった。
チャネリングというものに対しては、ググればググるほど怪しさを感じていた。それゆえ、私は独自の方法を試みることにした。それは、宇宙人との交信を目指すものだった。
この試みを始めて約7ヶ月後、ある夜、ほぼ眠りに落ちかけた時、私は尻から胸にかけて浮遊する感覚に包まれた。これが幽体離脱の感覚に似ていると思い込んでいたが、実際にはそれとは異なる体験だった。
突然、部屋の景色が変わり始め、壁が速い速度で流れ去るように見えた。初めはこれを明晰夢だと思ったが、間違いに気づくのに時間はかからなかった。
やがて、壁が消え、周囲はまるで絵の具を混ぜたようなカラフルな空間に変わった。そこで、突如として恐怖が襲い掛かり、「もう起きたい」と泣き叫んだ。
その瞬間、何かに引っ張られる感覚が私を襲った。方向は感じられず、ただ引き摺られていく感覚だけがあった。
恐怖で押し潰されそうになりながら、何とか気を紛らわせようと歌を歌った。そして、光に包まれた空間に引き寄せられた。
そこでは大量の泡が浮かんでおり、触ろうとした瞬間、「だめだよ、触っちゃ」と日本語で警告された。振り返ると、アロハシャツにビーサン、短パンを履いた白人のおっさんがいた。彼はマイケル・ムーアに似ていた。
彼との会話は私にとって大きな安堵だった。彼は私にどうやってここに来たのかを尋ね、私は「幽体離脱のつもりでやってたんです」と答えた。彼はそれを聞いて、「これを夢だと思ってるのか?危ないことはするなよ!」と叱った。
彼に導かれて、私たちは地球の近くまで行き、そこでは小さな地球が現れた。それを指差して、「お前の家はどこだ?」と聞かれたので、私の部屋を思い浮かべた。すると、地球が急速に大きくなり、私はその中に引き込まれた。
目を覚ますと、自分の部屋にいたが、窓から外を見ると、まだ絵の具のような空間が広がっていた。その後、おっさんに「最近なくしたものはないか」と聞かれ、ヘッドホンを思い出した。それを思い浮かべると、友人Aの部屋に引き寄せられ、そこにヘッドホンがあった。
この一連の出来事が現実だったのかどうかは定かではないが、それ以来私は再びその空間に行くことを夢見ている。