不気味な唄

公開日: 本当にあった怖い話

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何かの雑誌の投稿で読んだ話で、もう随分前のことです。

まだMDすらなく、CDからカセットへ録音してウォークマンで聴いていた頃の話です。

その女性(Aさん)は当時中学生くらいで、友達(B子)からAさんの持っていたあるアーティストのCDをカセットに録音して欲しいと、カセットテープを1本預かりました。

パッケージが取り去ってあったので上書きだと思い、Aさんは『B子はいつもどんな曲を聴いているんだろう?』と思って、B子から預かったテープを再生してみました。

すると、子どもが弾くようなピアノの演奏で、女の子の声で

もげた~もげた~私のあ~し~♪

もげた~もげた~私のう~で~♪

もげた~もげた~私のく~び~♪

という不気味な歌詞に、変な音律の曲が入っていました。

Aさんはゾッとして『B子も趣味が悪いなあ』と思い、その上からB子が聴きたいCDを録音し手渡したそうです。

「あんた、あの曲何?誰の曲~?」

と冗談交じりに笑いながらカセットを渡すと、B子はあからさまに怪訝な顔をして、

「何言ってんの?あれ新品のカセットテープだよ…」

じゃあ、あの歌は一体…とAさんは思ったそうです。

唄の歌詞が微妙に違うかもしれませんが、未だに憶えている印象深い話です。

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