良い心霊写真

133456252898613125476_DSC_0337

写真店のご主人から聞いた話ですが、現像した写真におかしなものが写り込む事は珍しくなく、そういったものは職人技で修正してお客さんへ渡すそうです。

このご主人ですが、一度だけ修正せずに渡した写真があります。

その写真は、就職活動で使う履歴書用の証明写真を撮りに、高校生のお嬢さんと母親が来店された時に撮ったものです。

写真を現像してみると、椅子に座ったお譲さんの右側に初老の紳士、左側にご婦人が、にこやかに微笑んで立っている姿が写っていたそうです。

証明写真というのは胸から上を撮るのですが、なぜかその写真は、椅子に座ったお嬢さんの全身と、その場に居るはずのない二人が写っているのです。

にこやかに微笑むその二人の表情があまりにも素敵だったせいか、証明写真用にカットしたものだけ渡せば良いのに、なぜかその写真を母親に見せてしまったそうです。

その写真を見た母親は涙を流しながら、これは娘が生まれる前に他界した両親で、

「生前は会うたびに早く孫の顔が見たいと言っていたけど、お父さんお母さんは今までもこうして見守ってくれていたのね」

と号泣し、一緒に泣くお嬢さんと母親を見てご主人もつられて泣いたそうです。

ご主人は、三人で写っている写真を職人技でさらに母親の写真も合成して引き伸ばし、額に入れて渡したそうです。

関連記事

雪国(フリー写真)

無医村

爺ちゃんは当時、凄い田舎の山村に住んでいて、村にはあまり評判の良くない医者が一軒しかなかった。 ある時、爺ちゃんの知り合いの年配の男性が盲腸になり、仕方なくその医者に手術してもら…

神秘的な山(フリー素材)

山の少年

中学時代、夏休みを利用して友達と川釣りに行こうという話になりました。 夜中の午前3時頃に集合し、市街地から自転車をひたすら漕いで約3時間、目的の川に到着しました。 ※ 早速、…

半分よこせ

俺がまだ小学生の頃の話。 俺んちは両親が共働きで、鍵っ子というか、夕方までは俺一人だった。 その日もいつもと同じように、居間でコタツに入って寝てたんだよ。母の帰りを待ちなが…

天国(フリー画像)

人生のやり直し

俺は一度死んだことがある。 これだけだと訳が解らないと思うので詳細を説明する。 ※ 小一の頃、夏休みが終わり二学期が始まった。運動会や遠足もあったし、毎日普通に生活していた。…

崖(フリー写真)

崖っぷちの写真立て

俺が20年以上前、大学時代に体験した話。 友達がワンボックスの車を買ってもらったからと、仲の良い女の子達も誘って紅葉狩りに行ったんだ。 山奥で湖があって山道を歩くような所…

親子の会話

僕の家から会社までは、小さな私鉄の電車で約30分です。 都会では考えられないでしょうが、行きも帰りもほとんど座って通勤しています。 その電車で帰宅途中、無気味な出来事を体験…

海(フリー写真)

海に棲む霊

これは私の友人に起きた実際の体験談です。 お盆には海に入ってはいけないと、古くから伝えられていますよね。 それは、イラ(クラゲ)が出てしまうからという物理的な事だけではない…

降りなくていいんですか?

東京の地下鉄乗ったんだよ。 何線かは言わないけど、まぁいつ乗ってもそれなりに人乗ってるよな。 で、東京の地下鉄ってのは2~3分走れば止まるじゃん?駅の距離短いし…。快速とか…

水たまり

兄が消えた朝

私がまだ小学校に上がる前のことです。ある朝、目を覚ますと、隣で寝ている兄以外、家の中には誰もいませんでした。家中を探しましたが、どこにも家族の姿は見えません。 不安になり、兄を…

蕎麦

おかめそばと約束の客

JRがまだ「国鉄」と呼ばれていた時代、地元の駅には一軒の蕎麦屋があった。 いわゆる「駅そば」だが、チェーン店ではなく、駅の外で営業している個人経営の蕎麦屋が契約して出していた店…